理工学部物理学科の松村真司さん(院・理工学博士2)、岡朋治准教授、田中邦彦助教授らの研究チームは、天の川銀河の中心部に、特異ならせん状構造をもつ分子雲を発見、「ぶたのしっぽ」分子雲と名付けた。今月1日発行の米天体物理学専門誌が研究成果を掲載した。
ぶたのしっぽ分子雲は、天の河銀河の中心を周回する2つの巨大な分子雲が交わる位置に存在する。この位置に、銀河円盤に対して垂直の磁場が形成され、磁場をこするようにして2つの分子雲が衝突することで磁力線のねじれが生まれる。ねじれにより、らせん状になった磁力線が分子ガスを捕捉し、ぶたのしっぽを形成していると考えられる。
これにより、天の河銀河の中心で異なる2つの軌道が確かに交差していることと、垂直磁場が遍在しているとらせん構造が生まれにくいことから、垂直磁場が局所的に存在していることが分かった。