十二月十一日に開幕した第十五回ラクロス全日本選手権大会でラクロス部はトーナメントを勝ち抜き十二月十九日、江戸川陸上競技場で行われた決勝でクラブ選手権一位のVALENTIAに挑んだが、10―6で敗れ三年連続の準優勝に終わった。
慶大は試合開始直後に堀池が先制点を挙げるなど前半は拮抗した戦いを見せたが、後半はVALENTIAがクラブチームの実力を発揮。慶大は最後まで学生王者としての意地を見せたが、あと一歩及ばなかった。
【一回戦】慶大17―2北大
【二回戦】慶大10―5DESAFIO
【決勝】慶大6―10VALENTIA
慶大は準決勝で日本代表が多数在籍するDASAFIOに対し快勝しただけに、六年ぶりの優勝を部員全員が信じていた。それだけに敗戦のショックは大きかった。
前半はフェイスオフでボールを奪えず守備時間が長くなった。市川コーチは「フェイスオフはミスではない。そこからどういう修正をするかがポイントだった」と話す。
後半はVALENTIAがゾーンディフェンスを行い、慶大の対応が完璧ではなかった。またファールを重ね、マンダウンディフェンス(一人少ない状態でのディフェンス)の時間が多くなってしまった。慶大はこれまで相手のファールをもらい優位に試合を進める展開が持ち味だっただけに、逆境を覆すことはできなかった。
鈴木主将は試合後「今日一日のためにやってきた。今は何もないです。あっという間の四年間でした」と声を震わせ、「これからは後輩を指導することしかできない。(後輩には)なにがなんでも勝ってもらいたい」と話した。
また今大会の優秀選手賞には数々のファインセーブを見せた大塚(二年)が選ばれたが「勝てる試合だったのにミスが続いちゃって…。勝つために練習してきたが、負けてしまったら一年間が無駄になってしまうので、勝負強く頑張りたかった。四年生にはお疲れ様と言いたい。来年こそは頑張りたい」と雪辱を誓った。
一九八五年の創部以来、慶大ラクロス部は日本ラクロス界をリードしてきたが、今回の敗戦で六年間日本の頂点から遠ざかることになった。市川コーチは「今年のチームは攻撃のチームだった。毎年選手は変わるので、来年のチームはこれから考える。四年生には四年間ご苦労様と言いたい」とねぎらいの言葉を語った。来年は今年の主力選手が数多く残るため、日本一への期待がかかる。