慶大情報処理教育室主催の公開講演会「ねっとなう―ネット社会での生き方を考える」の第三回講演がジャーナリストの津田大介氏を講師に招いて先月6日、日吉キャンパスJ12教室で行われた。
講演は「ネットリテラシーとソーシャルメディア」と題して、津田氏は現在インターネット利用者の3分の1が使っているソーシャルメディアの現状やメディアリテラシーについて語った。
ソーシャルメディアの特徴を「他のメディアとは異なり、政府やスポンサーなどからの圧力を気にする必要がないため、自由に情報を発信することができる」と説明した。 ソーシャルメディア、特にTwitterは情報を数百万から数千万人のユーザーへ、新聞やテレビの速報よりもはるかに速く流す事が出来るため、昨年の東日本大震災時にも情報入手手段として重要なツールになりえたという。
情報が氾濫している時代にメディアが作る現実を批判的に読み取り、またメディアの特質を理解した上でメディア表現する能力であるメディアリテラシーは必要なものであると説き、「中高生に向けてメディア教育を施すべきだ」と述べた。 津田氏は政治におけるメディアにも言及。「テレビなどの政局報道が非常に面白くない。政局や人間模様ばかりやっていて、政策の話が全く伝わってこない」とし、津田氏自身が政策の報道を行いたいと話した。
そして今後のソーシャルメディアの展望として津田氏は「飽和状態にあり、何か新しいものが生まれるとは考えにくい。付加で機能を継ぎ足し、そこにお金を絡めていくことで社会インフラになるのでは」と語った。