夜のキャンパスがリア充だらけと聞きました。怖くて6限に一回も出てません。助けて下さい。(文2女)
「んなもん知るか。出たくないだけでしょ」と依頼メールを一蹴するのは日吉では真面目だった所員O(文2女)。かく言う彼女、まだまだ五月病を言い訳に、既に語学の単位がやばい。そんなOに成績オールAを取った所長N(政3女)が一喝。「留年したらクビよ!クビクビ!夜のキャンパス調べて来なさい!」。そのセリフちょっと古いなんて口が裂けても言えない…。Oは夜のキャンパスへ繰り出した。

まず訪れたのは三田キャンパス。「そんなリア充ばっかとか言って、どうせサボりたい言い訳でしょ」と高をくくっていたOが甘かった。人影そのものは少ないが、外灯がつき、趣ある校舎がキャンパス全体にいい雰囲気を醸し出している。おまけにライトアップされた東京タワーが南校舎に反射してとても幻想的である。ふとOが周りを見ると幸せそうな2人がちらほら語らっていた。

「ま、まあね、三田は予想してたことだしね。次行こう、次!」と自らを励まして後日、日吉キャンパスへ。三田と違い割と人が多い。サークル活動に勤しむ人の活気で賑わっている。吹奏楽サークルの演奏に耳を傾けつつ調査を進めるも、日吉を包む若さにOはつい挙動不審になってしまった。

居心地の悪さから逃げるように矢上キャンパスへ。日吉とは一変、しーんとしている。明かりがこぼれるメディアでは黙々と実験レポートに取り組む理工学部生の姿が。文系のOには宇宙語としか思えないような用語が飛び交う。「ふーりえ変換…?きるひほっふの法則…?」。まったくわからず敢え無く退散。

最後に訪れたのは湘南藤沢キャンパス。閑散としている。人影を求めてとある教室を覗くと、床に人が寝ていた。驚いて聞き込みをすると、どうやら泊まり込みで研究をしているらしく、テスト前では普通の光景らしい。

Oは調査結果を持って所長Nの元へ。「よく調べてあるじゃない」と褒められ、安心したのも束の間。「SFCでの聞き込みから何か忘れてるような…あ!明日語学のテストだ…」。Oの夜はまだまだ終わらない。    (サーキット)