東京六大学野球春季リーグ戦が4月12日開幕した。
昨年は春秋ともに3位に終わった慶大は開幕戦の立大戦でサヨナラ負けし、明大に連敗して勝ち点を奪えず、優勝が厳しくなった。慶大は5日現在3位。
今後の試合は、17日から法大戦、31日から早大戦。
慶立第一戦
慶大は敵失などで2点を先制し、4回にも中押しの追加点を上げる。先発の中林の調子も良かっただけにそのまま慶大の勝利かと思われたが、6回に末藤に本塁打を浴び同点とされ、試合はもつれた。
両者譲らず同点のまま入った9回裏、代打小林大が二塁打で出塁。その後、1、2塁となるも、中山のセカンドゴロが併殺となり延長かと思われた。しかし、漆畑がその打球を悪送球、その間に二塁ランナーが本塁へ突っ込み立大にサヨナラ負けを喫した。
7つの四死球を得るなど再三好機を作ったが、慶大打線がそれを攻めきることが出来なかった。
慶立第二戦
相澤の好投で立大に勝利。前日の悔しいサヨナラ負けの悪い流れを断ち切り、戦績を1勝1敗のタイとした。
慶大は2回に渕上の適時打などで3点を先制し、そのリードを守りきった。今季初登板となった相澤は無四球で8回途中まで1失点だった。
好投について相澤は「特別なことはない。今日勝てばよいと思って、出来ることをやっただけ」と冷静に振り返る。しかし、この日の投球はストライクが先行する危なげのないピッチングだった。それだけに本人は「仕方ない」と語るが、完投できなかったことが悔やまれる。
一方の打線は4点を奪ったものの相手のエラーに助けられた面も強く、本調子とは言えない様子であった。ボール球に手を出す場面が多く、そこが今後の課題だろう。
慶立第三戦
3回、2死無走者の場面で山口(商2)はライトポール際への打球で一気に3塁を陥れた。今季から神宮球場の両翼が10㍍広くなったが、その影響が表れ、この試合のポイントになった。走者を3塁に置いた立大先発の山神は制球を乱して連続四球で満塁とし、梶本が先制の2点適時打を放った。
立大の得点にも3塁打が絡み、相場監督が「あの打球で3塁打になる。昨年と違う」と言うように、外野が広くなった影響は大きかった。これからの戦いは積極的な走塁、確実な外野守備がより重要になるだろう。
慶明第一戦
慶大打線は明大の先発岩田を攻めあぐね、3安打に封じられ無得点。一方の慶大も中林、相澤の継投で明大を零封した。相場監督が「よく負けなかった」と言うように、慶大は9回に1死満塁のサヨナラのピンチを凌いだのが大きかった。
中林はこの日の好投について「気持ちゆったり、テンポよく投げた」と振り返ったが、フォアボールも少なく三振を8個奪うなど素晴らしい出来であった。それだけに打線の援護が無かったことが悔やまれる。
打線は岩田の出来が良かったということを考えても、ボール球に手を出すなど全体的に調子の悪さが目立った。
慶明第三戦
先発の相澤は4回4失点と打ち込まれ、リリーフの有田(政4)もその流れを断ち切れなかった。その後、田中(環2)、居村、村山(環3)の3投手が踏ん張った。とりわけ、変則的なアンダースローの村山は、今後を期待させる投球内容であった。
慶大打線は前日に完封された岩田の前にこの日も沈黙、岩田が降板した後に2点を奪うも元気の無さが目立つ。クリーンアップの無安打という不振が特に気になる。
慶東第一戦
中林は9回2失点で完投するも、東大に先制を許すなど不安定な内容。2ストライクに追い込んでから許す安打が多く、詰めの甘さが目立った。
自力優勝が消滅 法早連勝が必須
慶大は続く東大第2戦に大勝し、勝ち点を2とした。すでに3敗し、優勝は非常に厳しくなっているが残り2カード、今後に繋がる戦いをする必要があるだろう。