今年の春に秋田から上京してきたのですが、未だに有名人に会ったことがありません。どうしたら会えますか。(理1男)
「まったく、これだから田舎者は困るんだ。東京来れば有名人に会えると思ってやがる」。依頼メールを見てつぶやく所員K(文1男)。そこへ所長がやってきて「お前もつい数ヶ月前に岐阜から出てきたばかりだろ。偉そうなこと言うな!」と言い放つ。Kは「岐阜は田舎じゃない!岐阜は世界一ィィィ!」と反論して名産のトマトを投げつけるも、所長は華麗にキャッチし「食べ物を粗末にするな。とにかく調べて来いや~!」と怒鳴りつける。
虚勢を張ったものの所詮は田舎者のK。実は東京タワーもお台場も行ったことがない。途方にくれたKは東京生まれ東京育ちの所員A(文1男)に相談してみた。
「アルタに行けばEともレギュラーとかに会えるんじゃないかな」「なるほど!」
的確なアドバイスをもらったKは、早速Aと所員U(商1男)を連れて新宿アルタにやってきた。一行はとりあえずアルタ内部に潜入してみることに。どうやら7、8階がスタジオのようで、そこへ通じる階段には『STAFF ONLY』の札が掛かっている。
「スタッフ~。スタッフ~」と自称イケメンのAが呼びかけるも返答は無い。「ここは俺に任せろ」とU。KとAの静止を振り切り、柵を乗り越え階段を上り始めた。が次の瞬間、2人の警備員が現れ「何をやっているんだ!」「こっちへ来なさい」と言ってUを連れ去ってしまった。
犠牲者を出すという異例の事態に困惑気味のKとA。スタジオ潜入は諦め、入り口で出待ちをすることに。時刻は午後1時半を回りそろそろ誰か出てくるのではと思っていた矢先、2人の前を美しい女性が通り過ぎる。
「今の雛形Aきこじゃない?」女性に瞳を奪われていたKは、Aの言葉で我にかえり、そこで初めて彼女が雛形Aきこだと気付く。「まさか本当に会えるとは。それにしてもきれいだったなあ」。元祖巨乳アイドルを目の当たりにした二人は、すでに悩殺状態だ。
その後も次々とテレビでおなじみの芸能人が現れる。笑福T鶴瓶、A木さやか、里田まI……。実際に見るとそれぞれが異彩を放っており、2人は終始圧倒されてしまった。
かくして検証は大成功に終わり、KとAは事務所に帰ってそのことを所長に報告した。「しかし1年生2人でよく頑張ったよ」。所長のねぎらいの言葉であることに気付くKとA。「そういえば最初は3人だったような……」。Kの携帯には新着メールが1件。「俺を見捨てやがって!」捕まったまま忘れ去られていたUからだ。苦笑しながらKは思った。「有名人に会うってある意味危険な行為なのかな」と。
(かねたけし)