受験が終わってからの家探しは、学生生活を左右する大きな要因だ。また秋学期も終わり、新年度に向けて引っ越しを検討している人も多いだろう。そこで新居選びの参考ともなる、一風変わった通学方法をしている塾生を紹介したい。
1人目は自動車通学をしている濱田大輝さん(総2)。SFCでは自動車での通学が認められているため、その利便性から自動車通学を選んだそうだ。「自動車通学の利点はやはり荷物の量に自由が利くこと、そして鉄道のダイヤなどに制約されずに自由に動けること」と濱田さんは語る。
また濱田さんは慶大ラグビー部に所属していて、その練習のために週2回SFCから日吉に移動する必要がある。高速を使えば自動車の方が早くその移動ができることも自動車通学を選んだ理由だった。
一方で、自動車通学ならではの不便な点もある。その1つが渋滞だ。基本的に定時運行されている鉄道と違い自動車は時間が読みにくい。渋滞にかかると、数十分程度遅延することもある。濱田さんは今までに1時間の遅延も経験したそうだ。ひとたび渋滞にかかってしまうと、SFCから日吉は1本道なのでただ耐えるしか無いという。この点も振り替え輸送などで影響を緩和できる鉄道との違いだろうか。
しかし濱田さんはそれを考慮しても、あまり苦労はしていないと語る。メリットがデメリットを上回るからだそうだ。
最後にやはり気になるのは金銭面であろう。自動車通学と聞くとお金がかかるイメージがある。この点は濱田さんの場合、駐車場代や高速代は濱田さんの車に同乗してSFCから日吉へ移動する同期の方が払うため、自分の出費はガソリン代だけで、それだと月に2万円くらいとのことだ。
2人目は徒歩通学をしている佐々木志保さん(政1)。徒歩通学と聞くと普通はキャンパスに近いところからの通学を想像するが、佐々木さんは元住吉と少し遠い所から日吉まで徒歩通学をしている。 キャンパスまでの所要時間は約15分。徒歩通学を選んだのは元住吉の駅までも徒歩10分かかるので、キャンパスまで歩いても同じだと考えたからとのこと。家探しをした当時は土地勘も無く、元住吉に住むことに特に抵抗も無かったそうだ。毎日の通学は良い運動になるし、定期代も浮くため金銭面のメリットも大きい。全くお金がかからないのは、徒歩通学だけの大きなメリットだ。
「夏や冬といった気候が厳しい時期はしんどいし、雨や雪の時に荷物が多いと、いらいらしますね」と佐々木さんは徒歩通学のデメリットにも触れた。15分の徒歩は長い電車通学よりは楽だが、地味に長いので他の人にはもっと駅近に住むことを勧めるそうだ。
このようにひと口に通学と言ってもさまざまな形がある。家さがしの時もいろいろな可能性を考えてみてはいかがだろうか。
(北村成)