10月16日に行われた帝京大戦。前年度の全国大学選手権王者に対し後半、実力の差を見せつけられ、15―26の完敗。青学大戦では、試合終了間際までリードを許す中で掴んだ薄氷の勝利。残り2戦を残して、通算成績は3勝2敗。強豪校である明大、早大との対戦を控えるだけに、対抗戦優勝は極めて難しい状況となった。   (塚本雅章)

【帝京大戦 リード守れず2敗目喫する】
 対抗戦第4戦の相手は帝京大。昨年の全国大学選手権2回戦において7―38で敗れており、「選手権の悔しさ晴らす」(田中監督)意気込みで臨んだ慶大。前半は風上の条件を生かし、15―10とリードして折り返したものの、風下になった後半は帝京大の重いFWに押され、15―26の完敗。対抗戦2敗目となった。
 前半開始直後から帝京大はFWが中心となって攻め続け、4分に先制トライ。さらに、11分にはペナルティーゴールで0―10と差を広げ、帝京大の一方的な展開になると思われた。
 しかし、「ほぼプラン通り」(SO宮川、環2)と風上でキックを生かして攻めることができた慶大は、17分と24分に敵陣ラインアウトからの展開でWTB服部(総1)がトライ。その後、CTB高田(経3)が31分にペナルティーゴールを決め、15―10で折り返す。
 風下となった後半、帝京大SO森田とFB竹田のロングキックにより、慶大は自陣で釘付けにされる厳しい展開。反則を重ね、前半健闘していたタックルも徐々に高くなり、「重い帝京大FWにやられてしまった」(FL明本、総4)。結局、後半は点を取れず、15―26で敗れ、昨年の雪辱を果たせなかった。

【青学大戦 劇的な勝利も不安材料多く】
 青学大の気迫溢れるプレーの前に慶大は攻守ともにミスを重ね、大苦戦となったが、後半43分にWTB服部(総1)がトライを決め、20―14で辛くも勝利。「全国大学選手権出場が懸った試合であり、勝てて良かった」(FB武藤、総2)と安堵感はあるものの、今後に向けて不安材料が多く残る試合となった。
 前半、風下となった慶大は敵陣に入りづらい状況で「まずは先制点を取ろう」(田中監督)と、2分と5分にCTB中村(総4)がペナルティーゴールで6―0とリード。幸先の良いスタートを切った慶大であったが、その後は青学大の果敢なタックルを前にテンポの良い攻撃ができない。21分には青学大のラインアウトからモールでトライを許し、6―7で前半を終える。
 後半に入り、9分に敵陣ゴール前のスクラムからパスを受けたSO高田(経3)が抜け出して逆転のトライ。このまま流れに乗るかと思われたが、青学大SH香山を起点とした攻撃に慶大はタックルミスを連発。17分にキックカウンターからトライを献上し、13―14と再逆転される。
 スコアが動かないまま迎えた43分、WTB服部が約30メートルを走り切って左中間にトライ。その後のコンバージョンキックも決まり、20―14でノーサイド。劇的な逆転勝利となった。