早慶戦を前に明大の完全優勝が決まる事態となった今季。優勝を懸けての早慶戦とならなかったためか、両スタンドには空席が目立った。
第1戦は早大に終始リードを奪われ敗退。続く第2戦は接戦にもつれるも、終盤に逆転され試合終了。伊藤ら4年生は大学での野球生活に幕を下した。
試合後、江藤監督は「打撃陣は大事な場面であと一本が出なかった。また投手陣は四死球からの失点が多かった。先制を許し過ぎてしまった」と今季を振り返った。大会閉幕後には各賞が発表され、慶大からは伊場(政4)が一塁手でベストナインに選出された。
リーグ5位、このような結果を誰が予想できただろうか。春季には完全優勝を果たし、今季も優勝候補の筆頭に挙がっていたはずだ。なぜ勝てなかったのか、春季と比較し今季を振り返る。
まずは投手陣。主軸となって活躍したのは竹内大(環3)と福谷(理3)の両投手。
春季5勝を挙げた竹内大は、今季も3勝を挙げたものの、持ち前の粘り強さを発揮できず防御率3・55と苦しんだ。
今季より先発復帰となった福谷は、150㌔超の剛速球がなかなか見られず、春季と比べ奪三振数、防御率ともに落ち込んだ。
中継ぎとして多く登板した白村(商2)や山形(政2)も、要所で失点をするなど安定感に欠けた。
次に打撃陣を振り返る。優勝した春季と大きく異なるのはチーム打率だ。春季は0・265であったのに対し、今季は0・233と不振に終わった。唯一3割に到達した伊場もリーグ11位だった。
阪神ドラフト一巡目指名でリーグ屈指の強打者である伊藤も、最後まで調子が戻らず打点1に留まった。
また今季は法大、明大、立大戦のいずれも第3戦までもつれた。立大戦以外は先勝したものの、第2戦では惜敗。勝敗を分けたのは決定力の無さにあった。
しかし来季の慶大については明るい兆しも見えてくる。今年主力で活躍した山崎錬(商3)ら選手の大半が3年生だからだ。経験の差や選手層の厚さから、六大学の中で再び優勝候補に挙がるのは間違いない。今季の悔しさをバネに陸の王者慶應の復活を期待したい。
(齊藤貴仁)