「サークルの飲み会でイッキ飲みをして、気付いたら病院で寝かされていた。親が駆けつけてきていて、医師には急性アルコール中毒だと言われた」
入学して間もなく無理にお酒を飲んで、急性アルコール中毒になり救急車に運ばれた筆者の知人の話である。
4月といえば、新入生がサークル選びに勤しむ時期だ。多くの新入生が、各サークルの歓迎会で飲み会に参加することになるだろう。自分の身体のお酒に対するキャパシティを無視して、場のムードに流され無茶をして飲酒をすると、時には思ってもいない大変なことに発展する。
飲み会の場で一番やってはいけないことは「イッキ飲み」だ。人が酒で酔うのは、摂取されたアルコールが血中を経て、脳に回り、その働きを抑制するからである。簡単な話、瓶ビールを10本も飲めば、かなりの量のアルコールが体内に入ったことになり、体に異常をきたすことは明らかだ。「イッキ飲み」をすると、短時間にアルコールを摂取することで、血中アルコール濃度が急激に上昇し、一気に泥酔や昏睡といった状態になり、場合によっては呼吸困難などで死に至ることもある。一気飲みは、短時間で身体を、アルコールを大量に摂取した状態にしてしまう。現に急性アルコール中毒で運ばれる患者の大半は20代の若者であり、その主因は飲み会における「イッキ飲み」である。
アルコールに対するキャパシティを知るための有効な手段となるのが、アルコール・パッチテストだ。アルコール・パッチテストとは、皮膚の薄い部分に絆創膏をはり、その上にエタノールをたらして待ち、皮膚の状態により、お酒に強いか否かを判断するもの。塾内でも学生健康保険委員会が、主に新入生向けに、例年パッチテストを行っている。テスト結果の他にも、お酒と付き合う際の注意事項や、潰れた時の対処法などを指導してくれる。去年、パッチテストを受けた人数は約200人。今年は4月中と三田祭期間中に行う予定だ。
学生健康保険委員会委員長の相磯紘子さんは「パッチテストは、アルコールに対する自分のキャパシティを知る上でとても簡単で有効な手段です。毎年無料で行っているので是非試して下さい。ただ、テストで反応が出なかったからと言って沢山お酒を飲んでよいわけではなく、結果を鵜呑みにしてはいけません。自分のキャパシティを知った上で、飲酒のルールを守って、楽しくお酒と付き合っていってもらいたい」と話した。
新入生には、飲み会の雰囲気を楽しみつつも、自分の限界を知った上で、無理はせず、上手なお酒との付き合い方をしていって欲しい。
(名倉亥佐央)