先月24日、自由民主党外交部会長で衆議院議員の小野寺五典氏による講演会「東アジアにおける日本の外交戦略」が法学部政治学科ゼミナール委員会の主催で行われた。
講演会は活発な討論を期待し少人数での質疑応答が中心となった。参加者である学生らは、安全保障や国家間の資源・境界を巡る問題など、デリケートな話題まで深く踏み込んで俎上に載せた。
小野寺氏は大地震から注目を浴びる原発に関しては「原発の技術を維持しているということが軍事的なパフォーマンスになる面もあるのは確か」と原子炉全撤廃に対する安全保障的なフォローの必要性を説いた。
また、もし自分が外務大臣として外交を動かすなら何を心がけるか、という質問に対して「国家間の関係においては、国としての政治的価値観や安全保障、経済的繋がりなどさまざまな面があり、それぞれを把握して国益に繋げていくことが大切」と述べた。
小野寺氏は最後に「外交というのは大きな船を操縦するようなもの。急に舵を切れば転覆してしまう。風や波を見ながらゆっくりと方向を調整するしかない」とし、「普遍的真理の追究を旨とする学問において、常に変化に晒される政治学の普遍性はどこにあるのか。現場にある外交官も学生諸君も問い続けるべき」と語った。