多文化市民意識研究センター主催公開シンポジウム「日本の復興のために学術ができること―政治学の観点から―」が先月23日に三田キャンパス東館で行われた。本シンポジウムは内閣府日本学術会議政治学委員会の協力で実現した。
シンポジウムでは文部科学大臣政務官で民主党参議院議員の林久美子氏や猪口邦子自民党参議院議員、石川幹子東大教授らが報告者として登壇。日本の復興のために何をすべきかについてそれぞれの見解を示した。
林氏は今回の震災に対する政府の対応を紹介。被災地児童への心のケアや文科省HP上での情報公開、マッチングポータルサイトなどを例に挙げ、「まだ100%対応できているとは言えない。だからこそ皆さんの声を聴きたい。超党派で色々な意見を聞いて進めていきたい」と訴えた。
猪口氏は「教育こそが支援である」とし、被災地児童・学生に教育の機会を与えることの重要性を主張。留学機会を贈るという、自身が以前Facebookなどで提唱した復興支援策を紹介した。実際に、海外から被災学生を対象とした留学受け入れのオファーがされているという。
また、猪口氏は被災者に高齢者が多いこと、彼らが災害弱者であることに着目し、高齢者が作る経済の要件についても言及。シルバー人材を積極的に利用すべきだということを世界に訴えていくべきだとした。
石川教授は被災地と支援都市がペアになって顔の見える支援をする「ペアリング支援」を紹介。「まず『希望』が大事で、被災地の希望は最大限尊重するべきだ」とした。
各ゲストの報告後には森田朗東大教授、杉田敦法大教授が討論者としてそれぞれの立場からコメントした。