日中関係について熱弁をふるう加藤氏
日中関係について熱弁をふるう加藤氏
慶應塾生新聞会主催の講演会「日本の未来について考える学生シンポジウム」が先月26日に三田キャンパス南校舎にて開催された。
 本講演会ではコラムニストの加藤嘉一氏が登壇。加藤氏はSFC上席研究員・北京大学研究員であり、「中国で最も有名な日本人」として知られている。
 本講演会のテーマは「日中関係について考える」。加藤氏の講演と学生とのディスカッションを通して日中関係の将来について考察した。
前半の講演での話題は先月発生した東日本大震災についてから始まり、中国メディアの震災報道、中国人の震災への関心、日本との防災意識・社会制度の違いから震災に対する日本政府の対応、今日本国民は何を求めるべきなのか、など多岐にわたった。
「社会発展の3つのロジック」として、加藤氏は政治がオープンであること、競争があること、国民の関与があることの3つを挙げ、その3点が日本に足りないと指摘。若者の声をいかに政府に届けるかという「発信力」の重要性を訴えた。
 後半の学生とのディスカッションでは、中国学生が日本の震災援助そのものに対する思い、民主制による日本政府の震災対応への遅れ、中国人が抱く反日感情など、日本の学生が疑問に思うことに加藤氏が答えた。
 特に中国人が抱く反日感情に対して、加藤氏は「中国人の反日感情は潜在化レベルではある」としつつも、「若者は日本のライフスタイルに関心を持っている」と述べる。「日中関係の将来を考えるうえで、反日の実態を過大評価しないことが重要。日本人と中国人の国民性を理解しつつ、お互いが共存していく道を探る必要がある」と語った。

【告知】加藤氏は今月31日、東京国際フォーラムでセミナーを開催いたします。中国の「いま」を4つのテーマで説く『加藤嘉一 中国塾』。是非ご参加ください。詳細はhttp://kyodotokyo.com/katoyoshikazu。