剣道部は昨年度に宿敵である早大を見事打ち負かした。今年度はさらなる飛躍が期待されるが、彼らの強さはどこから来ているのだろうか。今回はそんな剣道部の活動と実態に迫った。
「剣道は礼節を重んじるスポーツなので、礼法や作法が非常に大事」と語るのは慶應義塾大学体育会剣道部主将の細貝啓さん(総4)。
剣道部は、日本一という頂点を目指し、日吉記念館付近の道場で毎週月曜日から土曜日まで週6回の練習に励んでいる。現在の部員数は4年生を含めて90人の大所帯で、師範3人、副師範1人の活動している。師範の中にはオールジャパンの監督をやっていた人もおり、非常にレベルが高いという。
1回の稽古の練習時間は1時間半と意外に少ない。それについて細貝主将は「剣道は集中力が大事なので」と話す。練習内容は基本的には素振りや打ち込み掛かり稽古が中心で、稽古の終了後はストレッチとミーティングが行われる。
剣道部は文武両道を掲げており、学生の本分である学業も非常に大切にしている。部員の中には弁護士や医者を目指している人も多数いるという。さらに他の部活と比べて自由度が高く、「段の取得は各自に任せていて、部活をやりながらアルバイトをする人もいる」と細貝主将。
参加する主な大会は5月の関東個人戦、7月の全日本個人戦、9月に関東団体戦、10月に全日本団体戦と11月の早慶戦、12月の新人戦。早慶戦以外はすべてトーナメント方式で行われる。慶應のすべての体育会に共通して言えることかもしれないが、剣道部は大会の中で、特に早慶戦に特別な思いがある。細貝さんは「今までの早慶戦は相手のほうが勝率は高い。普段の大会は7対7で対戦するが、20対20の対戦なので、総合的な力が問われる」と語った。
今年度、剣道部としての目標は2つある。まず1つは、全日本優勝を果たすこと。もう1つは早慶戦連覇である。細貝主将自身の抱負については「主将として、部員と切磋琢磨して、お互いに認める関係になりたいだけでなく、部員一人ひとりにそれぞれの役割を意識させたい」と力強くコメントした。
取材を通して、これからの飛躍を感じさせる体育会剣道部。今後の活躍に期待したい。
(柳沼和宏・劉広耀)