今年度慶大一般入学試験願書受付が先月25日締め切られ、受験者数が確定した。全体数は昨年度に引き続き減少傾向にあり、昨年度比1567人の減少。なかでも文学部や経済学部、商学部の減少が顕著だ。一方で、理工学部、総合政策学部、環境情報学部では増加がみられた。なお、法学部A方式、薬学部A方式の募集は今年度をもって停止される。
今年度の慶大一般入学試験は先月15、16日に行われた大学入試センター試験を利用する法学部A方式、薬学部A方式に始まり、3月4日の医学部第2次試験(小論文、面接)にて終了する。合格発表は法学部A方式、薬学部A方式の2月10日より順次行われる。
今年度一般入試の変更点は1点。薬学部の募集人員変更だ。6年制の薬学科(B方式)が140人から110人、4年制の薬科学科(B方式)が15人から45人に変更となる。それに伴い、志願者数は薬学科では減少し、薬科学科では増加したと考えられる。
志願者総数は昨年度に引き続き減少傾向にある。全体数は昨年度の4万8260人から1567人減少し4万6693人。昨年度と同じ前年度比約3・3%減だ。昨年度は資格人気からか、公認会計士、看護師といった資格取得につながるような学部(商学部、看護医療学部)の志願者数が増加したが、今年度は文系学部の志願者が減少した。また、長引く不況の影響で、地方の学生が地元で通える大学を目指す地元志向、安定志向が今年度も見られた。首都圏の受験生も経済面の理由から、国公立大学を目指す傾向が高いという。
個別学部で見ると、理工学部と総合政策学部、環境情報学部以外は減少。法学部、医学部、看護医療学部、薬学部は若干の減少にとどまったが、文学部や経済学部、商学部での志願者数減少が目立つ。
一方で、志願者が増加したのは法学部A方式、理工学部、総合政策学部、環境情報学部、薬学部薬科学科B方式。今年度で最後となる法学部A方式の志願者数増加は、大学入試センター試験の平均点が上昇したためと考えられる。理工学部では学門4以外全ての学門で増加しており、理工学部全体では221人の増加となった。これは不況でも就職に強いと言われる理系の受験生が増えたためと考えられる。SFCでは文理一体型の学際教育を目指しているため、理系の受験生が多く出願したとみられる。
志願者は全体的に減少傾向にある今年度入試だが、チャレンジ層が減少した「安定志向」の結果であるため、慶大受験者層は高い学力をもっていると考えられる。志願者数の増加がみられた理工学部、総合政策学部、環境情報学部では競争の激化が予想される。志願者の減った文系学部でも、難易度はほぼ例年通りと言えるだろう。
(堀内将大)