今回の選挙に立候補した5名の候補者たち。左から馬場さん(小沢一郎)、神野さん(東国原英夫)、植田さん(福田康夫)、小澤さん(石原慎太郎)、田辺さん(小泉純一郎)。

 今年度、SFCでは総合政策学部1年の必修科目である「総合政策学の創造」の授業内で新たな試み、「道路特定財源の是非をめぐる討論、模擬選挙」を行う。

 選挙の立候補者は5名。各候補者の役名は、石原慎太郎、小沢一郎、小泉純一郎、東国原英夫、福田康夫と政治家の名前を借用し、それぞれ小澤みゆきさん、馬場孝通さん、田辺優菜さん、神野翔さん、植田啓生さんが務める。各候補の主張に基づいたロールプレイにより選挙運動を展開する。

 選挙までの流れとして彼らは4月28日まで政策の応援者(各10人)を確定する。争点に関する調査や分析をし、具体的な選挙戦略を練っていき、5月13日~27日にSFC内で街頭演説やビラ配り等の選挙活動を行う。そして、27日の「総合政策学の創造」の講義内で候補者の演説、コーカス(投票する者同士の話し合いによる候補の絞り込み)、投開票が行われ、当選者が決定される。

 この試みの目的は、議論等の実践を通して民主主義への理解を深めることである。

 各候補者は当該争点や政策過程に関して深い知識があるわけではなく、全てが手探りの状態である。皆、不安の中、立候補の意気込みを次のように語る。

 「小沢」氏は、「新しいことが好きなので、期待している」。「福田」氏は、「やるからには政策の決定過程を学びたい」。「小泉」氏は、「当選という明確な目標のために頑張りたい」。「石原」氏は、「様々なバックグラウンドの人と接する良い機会であればいい」。「東国原」氏は、「この試みにより、よりSFCへの帰属意識を高めていきたい」。

 阿川尚之総合政策学部長はこの試みに関して、「実践を通じて、その過程で生ずる障害をどう乗り越えるのかをSFC生が考えること」を期待している。そして、この試みを今後、SFCの春の名物にして、SFC全体を大いに活気づけてほしいと強調した。