昨年12月、インターネット上のファッションとブランドの口コミ・コーディネートサイトfukulog主催で行われた10大学対抗おしゃれリレーの団体部門で慶大が優勝した。今、慶大のファッションは今、一目置かれた存在となっている。しかし果たして慶大生は本当に「おしゃれ」なのだろうか。その実像に迫ってみた。

昨年の三田祭では慶大生のお洒落意識アップを目的にモデル、スタイリスト・デザイナーを全て慶大生が担ったファッションショー、慶應ファッションコレクション(以下慶コレ)が行われた。

「前例がないことをしてみたかった」と語るのは慶コレの代表を務めた濱野裕介氏(商2)。しかしなぜテーマをファッションにしたのか。「ファッションは学生にとって身近なもので自己実現のツール。洋服という媒体を通して学生や社会に訴えたかった」と話す。

慶コレでモデルを務めた中須磨奎和氏(商1)は取材当日、全身黒のコーディネート。今話題の「スカート男子」のいで立ちで登場した。彼は今回のfukulogおしゃれリレーの個人部門で上位にランキングした。

「人とかぶるような格好はしたくない。個性がないし、会う人に自分のイメージが残らないから。自分の着たい服を着る」。

中須磨氏にとって慶大生のファッションはどう映っているのか。「慶大生はお洒落だと思う。着まわし上手、重ね着上手が多い。アクセサリーに気を使っていたり、いい靴を履いている」。

だが慶コレでデザイナーを務めた吉川七海氏(文1)は「おしゃれ」とはいかに自分自身を知っているか、だと話す。 ファッションで自分のイメージを構築できる、つまり自己プレゼン能力の高い人がおしゃれだと定義した上で「慶大生のお洒落は甘い」と斬る。「慶大生は小奇麗だが平均的で同じような格好が多い」と述べた上で吉川氏は更に分析をする。「女の子は雑誌で言えばnon-nosweetsoup系、男の子はchokichoki系が多い。お洒落でないわけではない。ただ慶大生は無難な格好に逃げた結果、ファッションに季節感がなかったり、またコーディネートに靴があっていなかったり、ちぐはぐな格好が目立つ」と指摘した。

大学時代は、社会に出る前に自分のファッションを楽しめる最後の時だ。「普通」であることに縛られず、まずは洋服を着ることを楽しんだらどうだろうか。ファッション雑誌や流行といった束縛から抜けた時、あなただけの「おしゃれ」が見つかるかもしれない。

(米田円)