一票の格差問題について考える「学生ゼミ企画~一人一票とは~」が先月5日、三田キャンパスで催された。一人一票実現国民会議の発起人である升永英俊弁護士や久保利英明弁護士らが登壇し、学生に向けて「一人一票」への関心を呼びかけた。
第1部では升永氏と久保利氏による基調講演が行われ、升永氏は「最高裁の違憲判決だけに期待するのではなく、有権者から行動する必要がある」と訴えた。
その後、司法試験予備校の塾長でもある伊藤真弁護士も登壇。昨年7月の参院選での一票の格差5・00倍を違憲とした10月の東京高裁で、原告グループの升永氏、久保利氏、伊藤氏が実際に行った口頭弁論を再現した。
第2部では、法律事務所オーセンス代表の元榮太一郎弁護士らをパネリストとして招き、「一人一票」の実現に向けて、今後の活動方針を検討した。司会を務めた伊藤氏は「若い世代が関心を持ってくれるように、幅広い活動を続けていく」と話した。
一人一票実現国民会議は、投票価値の不平等をなくし、「一人一票」の原則を政府に守らせること目的として2009年に発足。慶大生もサポーターとして参加しており、広報活動などに取り組んでいる。