ジャグラーとして活躍する長竹さん
ジャグラーとして活躍する長竹さん

自分磨き、人との出会い 「新しい世界が広がる」
16歳にしてジャグリング世界大会Jr.部門に初出場で優勝し、現在はプロとして学内外を問わず広く活躍する長竹慶祥さん(総2)。
 大学生は大学で何をすべきだろうか。「基本的には勉強をすべきだと思います」。大学の勉強について「授業は最低条件であり、出るのは義務」とする長竹さん。「大学は自由度が高く、また「大学生は失敗が許される期間」と言われることも多い。しかし、その「失敗が許される」という権利を行使するなら、ちゃんと義務も果たさなければいけないと思います」
 長竹さんにとって「大学の勉強は、学外で活動を続ける上での前提だという。「学生の本分は勉強であり、それをちゃんとした上での学外での活動だと思います」。実際に、今まで1つも単位は落としていないそうだ。
 長竹さんの通うSFCはカリキュラムの自由度が高く、自分の興味分野の授業を取ることが出来るのが特徴だ。こうした授業は学外での活動をする中で活きているという。
 学外での活動について、長竹さんはこう語る。「好きなこと、やりたいと思うことをモチベーションにするのが大事。就職を目的に何かをするというのは、ゴール地点を間違えているというか、ゴールはもっと先にあると思う。就職のために色んな活動をやるよりは、『自分がやりたいと思い活動してきたことが結果的に就職の場でも役に立った』というのが理想ですね」。 ジャグリングの活動を続ける中で、パフォーマンスだけでなく、これまでの活動や今後のビジョン、長竹さんという「人物」そのものについても興味を持ってもらうことが増えたという。
長竹さんはインタビューの最後にこう言った。「自分を磨くことと新しく人と会うことを怠らなければ、どんどん新しい世界が広がっていく」。「新しく人と会うだけではなく、相手に興味を持ってもらうためにも、自分を常に磨き続けることが大切」。学業とジャグリングで自分を磨き、ジャグリングを通じて交流を広げる。長竹さんはこの言葉を実践し、今も成長を続けている。
学業も大切にし、やりたいことに全力で取り組む。理想的な大学生としての1つのモデルを彼は示してくれた。
(大竹純平)
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学生指揮を務める藤井さん
学生指揮を務める藤井さん

「4年間の筋を自分なりに持ち続けた」
 慶大の音楽系サークルといえば「ワグネル」。その女声合唱である慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・女声合唱団で学生式を務めている藤井まどかさん(商4)。
 活動は入学時から4年の12月まで。「4年間、何かに長く取り組みたくて入りました」。週3回の練習、年2回の発表会に加え、学内外での依頼演奏と、「大学生活はサークル中心」と言い切る。
しかし、楽しい思い出ばかりではなかったという。「一時期、人数が7人ほどになり、サークルがつぶれそうでした」と、サークル存亡の危
機にさらされた。苦難を乗り越える過程で、「同期の仲間同士では相通ずるものが生まれました」と話す。
 サークルが中心とはいえ、授業にもそれなりに出席。しかし、3年の秋学期に入ると、「就活スタートの第一歩として平日のセミナーに出る
ためには、授業を休むしかなかった」と言うように、企業の説明会が授業のある平日に開かれることは珍しくない。それでも出来る限り授業に出席し、サークルの練習にも参加し続けた。「中学生の時から新聞を読むのは好きでした」と、サークル漬けの毎日でも、日頃の習慣が自然と時事問題対策につながっていたようだ。
 来春から医療系のコーポレート部門で働き始める藤井さん。就活を通して感じたことがあるという。「大学生活はその時々、全てにおいて多くの選択肢の中から自分で決めなければならない。だからこそ、企業側は目の前にいる学生が4年間何をしてきたか知りたがるのだと思います」。
 「何か4年間の筋を自分なりにもって過ごすのが良いと思う」。合唱という筋を貫く藤井さん。来月の引退まで駆け抜ける。
(入澤綾子)
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六法は手放せない小槻さん
六法は手放せない小槻さん

「人を幸せにするための手段はそれぞれ各々で見つけてほしい」
小槻英之さん(法4)
―大学生活で最も力を入れていることは。
 やはり司法試験のための勉強。旧司法試験は論文の段階で不合格となってしまったが、最低限の目標だった慶大のロースクールには合格できた。
―大学生活全般の満足度は。
 サークルでもゼミでも代表を務め、受験勉強をしていた割には楽しめたと思う。具体的にどのような法曹になるかという目標も、予備校の授業ではなく大学生活を通じて見つけることができた。
―予備校での勉強に力を注ぎ資格試験を目指す学生にとって、大学での勉強に価値はあると思うか。
周囲には全く役に立たないと言う人も多いけれど、見出す価値は人それぞれだと思う。授業自体よりもそこで友だちと会うことの方が大切という考えもあるだろうし。
自分に関して言えば、大学の授業が司法試験の勉強の理解の足しになる面は多々あった。倫理学や法制史など「一般教養」的な科目も、普段触れられないものに接することができたという点で良かったと思う。何より面白かった。
―講義への出席率は。
 99・9%は出ていた。体育会の活動が忙しい友人のために、必ずノートをとらなければならないという事情もあったのだけど。
―大学生のあるべき姿についてはどう考えるか。
 各々の学生が人を幸せにするための手段を見つけることが、最終的には重要だと自分は思う。
AKB48のように歌や踊りで幸せに寄与する生き方もあることだし、大学の勉強に取り組むだけが良いとは必ずしも言えないんじゃないかな。ただ大多数の学生にとっては、目の前の勉強を頑張ることが人生を有意義にするうえで手っ取り早い方法なのかもしれないね。
―では、大学は今後学生に対してどうあるべきか。
 学生に迎合する必要はないはず。ただ、もっと学生に「考えさせる」講義を増やして、社会に出てから必要と言われる思考力を養う機会を提供すれば、双方の利害がより一致するのではないかと思う。
―ありがとうございました。
(花田亮輔)