「三田文学」創刊100年展が、先月25日から今月7日にかけて三田キャンパスの図書館旧館で開催された。
「三田文学」は1910年、永井荷風を編集主幹にして創刊された文芸誌。戦前では久保田万太郎、佐藤春夫など、戦後では松本清張、遠藤周作、江藤淳などといった多くの逸材を輩出してきた。創刊以来、休刊と復刊を幾度と繰り返しながらも、現在商業誌を除き日本で最も長い歴史を誇る文芸誌のひとつとなっている。
当イベントは、今年で創刊100年を迎えるこの「三田文学」の歩みを振り返るため、三田文学会と慶大文学部が主催したものだ。会場では、パネルによる資料が年代・テーマ別に展示された。
また同時開催シンポジウムとして、講演と朗読「西脇順三郎」が三田キャンパスで先月30日に開かれた。当イベントは、文学部教授でもあり「三田文学」の発展を支えた詩人、故・西脇順三郎の歩みを振り返るもの。まず明学大名誉教授の新倉俊一氏が講演し、次に生前の西脇順三郎を映した貴重な映像が上映された。その後、俳優の石坂浩二氏の話に慶大文学部教授の宇沢美子氏が聞き役を務め、最後に石坂氏が西脇順三郎らによる詩をいくつか朗読してイベントを締めくくった。