さまざまな年齢の人が集まり英語を学ぶ
さまざまな年齢の人が集まり英語を学ぶ

英語。ここまで日本人を評価する道具として使われる外国語は他にはないだろう。多くの日本人は中高6年間を英語学習に膨大な時間を割いてきた。2011年度からは小学校5、6年時における英語教育の必修化が導入される。
しかし英語を喋ることに抵抗感がある日本人は多い。楽天やユニクロなどの大手企業内の公用語英語化に表されるように就職には英語のスキルが必須条件となってきている。自分の努力なしではなかなか英語に触れる機会が少ない大学生には耳が痛い話である。
そんな中、その手軽さと充実度で人気を博している国内留学サービスがある。「合宿制英会話学校ランゲッジ・ヴィレッジ」だ。静岡県富士市の富士山ろくに位置し、4500坪の敷地を持つ24時間日本語禁止の合宿制英会話学校である。いったん門をくぐるとパスポートのいらない英語の世界、朝から晩まで外国人講師と一緒に生活をする。
ここに来る人の年齢や利用期間はさまざまだ。現在外資系会社に勤める花嶋達夫さんは金曜日に通常通り仕事を終えた後、土曜日の始発の新幹線に乗ってここに来た。「今度上海出張があり、短期間で英語に磨きをかけたいと思い、ここに来ました。英語漬けの環境でも海外と違い手軽に来られるのが魅力です」と話す。花嶋さんは日曜日の最終新幹線までみっちり授業を受けた後、また仕事に戻った。
ここでは8時半の朝食から1日が始まる。席には外国人講師が既に座っており、「醤油取って」、「昨日夢で…」などの日常会話も全て英語だ。午前、午後と60分授業を6コマ受け、夕食を摂った後は大浴場で疲れを癒し、映画やビリヤードに興じたり、宴会となったりと自由時間になる。
現在明治学院大学2年の宇田川夏未さんは夏休みの2週間ここに滞在した。将来観光業に携わるという夢を持ち、約16万の学費を全て自分のバイト代から出した。「海外に行こうかとも思ったが喋れないので生活に積極的になれずに終わると思った。無理にでも会話する環境に行きたかった」と話す。
1部屋につき大体4人の共同生活だ。大学生はもちろん、週末だけ利用する社会人や主婦、海外旅行のために英語を話せるようになりたいと話すシニアの方までが寝食を共にする。「休み時間や夜に皆で英語でおしゃべりする時間が楽しみ。東京では大学生以外と話す機会なんてあまりない。人生経験や仕事の話、アドバイスなどももらえてとてもいい経験」と宇田川さんは語る。
大自然の空気を吸いながら、都会の喧騒から離れて過ごす英語の世界。新幹線に1時間乗れば到着する英語の村。手軽に英語漬けになれる環境であなたも自分のニーズに合った過ごし方をしてみてはいかがだろうか。         (西村綾華)