今回は、人間科学専攻の平石界先生にインタビューをし、人間科学専攻の特色や求めている塾生の特徴などについて伺った。

 

―人間科学専攻だからこそできること

平石先生は「人間科学専攻とは人間を多角的に捉えるための視点を学べるところ」と語る。分野としては社会学、文化人類学、社会心理学などを幅広く学ぶことができ、他の専攻で学ぶ内容にも触れることができる。その際に、定量的(実験・アンケート調査など)であれ、定性的(インタビュー・フィールド研究など)であれ、実証的なデータを用いた研究を多く実施することを重視している。

 

―他大の学部との違い

人間科学専攻と名前が似た学部が早大と阪大にあるが、いずれも「学部」であるため、当専攻よりも幅広いテーマをカバーしている。言い換えれば、専攻という小さい単位にも関わらず、社会学・文化人類学・社会心理学をまとめて勉強できるところは慶大の人間科学専攻や社会学専攻以外にあまりないということができるそうだ。

 

―求めている塾生の特徴

人間科学専攻では、社会、文化及び自然をめぐる諸問題の理解と解決を志向する。そのため、人間性の多元的把握と、それを把握するための新しい知的枠組みを、学際的視野から構築・探求することが必要とされるという。これを踏まえ、平石先生は「時代の変化に好奇心を向け、人間の問題を掘り下げて考えようとする学生を歓迎する」と語る。

 

―卒業後の進路

一般企業、マスコミ、教員、官公庁などへの就職だけでなく、大学院進学まで多方面にわたっているということだ。

 

―専攻選びで大事なこと

平石先生は、人間科学専攻に限らず、所属教員が何に最も関心を持っているかが「その専攻ならでは」のカラーを作ることになると考えているそうだ。そのため、専攻選びをするにあたっては、教員の研究テーマを見て「これについてもっと知りたい」と思えるものがあるか考えることが大事であると語る。

 

宮下莉彩