最近、ある知り合いと一緒にホラー映画を見た。映画を観終わった後、一緒に映画を観ていたその知り合いが、冗談半分で少し変わったことを言った。
「自分はホラー映画よりもニュースを見るほうが怖い」。
その言葉を耳にしたとき、一体彼が何を言っているのか自分には見当がつかなかったが、彼と話を進めていくうちに、彼の言わんとすることが理解できた。
彼は現在大学3年生なのだが、ついに始まった就職活動のこともあって、自分の将来が不安で仕方ないらしい。特に就職難や内定取消し、リストラといった話題のニュースを見ると、自分もそのような目に遭わないか不安で仕方ないそうだ。
私も同じ大学3年生なので、彼の主張がわからないでもない。確かに、同様のニュースを目にしたとき、どこか他人事のようには思えず、自分ならどう対応するだろうと考えたりすることもあった。しかし、心の中でどうしても彼の意見に共感することはできなかった。
2008年のリーマンショックの影響からか、日本の雇用状況は厳しく、そのしわ寄せが大学生の就職活動にも影響を及ぼしているということは、まぎれもない事実だろう。だが一方で、今現在の日本は手段を選ばなければ、インターネットなどの技術の革新・普及もあって、今までの日本の歴史上最も個人で財を成しやすい時代であるようにも思える。このように考えてみると、現代日本も悪くないような気がするし、とらえ様によっては最も生きていきやすい恵まれた時代(の日本)なのではないかと思う。
その知り合いにこう主張をすると、彼は「君はあまりにも楽観的過ぎる。もう少し深刻に自分の置かれている状況を見つめてみるべきだ」といった旨の発言をした。彼の発言にも一理あると思うが、同じようにこれからの時代を生きていくのであれば、自分のように楽観的に、前向きに考え、社会へ出ていくほうが楽しくて幸せなように思えてならない。皆さんはどう思われるだろうか。  (須崎翔太)