日本一の大学は、文句なしに東京大学だ。しかし世界大学ランキングに目を向けると、東大の順位は29位(Times Higher Education「THE World University Rankings 2024」より)。まだまだ上が存在している。世界のトップ大学とは、どんな環境なのだろうか。今回はUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に編入方式で入学し、現在は自身の事業のほか、TOEICやTOEFL、IELTSといった、英語検定対策に定評のある学校、イングリッシュイノベーションズで役員を務める池上聡太氏(25)に話を聞いた。

 

池上さんが留学を決意されたきっかけは何でしょうか?

もともとは慶應のSFC志望でした。一本狙いで受験勉強をしていたんですが、過去問を10年分くらい解いて、安定して9割ぐらいの点数が取れて合格を確信したとき、もっと上を目指そうと思ったんです。僕の場合、普通に就職して、普通の人生を歩んでいきそうだなっていう、なんとなくの危機感があって、何かしら普通じゃないことをやりたいと思っていました。

そのとき世界大学ランキングを上から順に見ていって、高校の成績を見られずに編入できるトップのレベルの大学がUCLAだったんですよ。目指すことを決めたのは高校3年の受験直前です。より上の大学を目指すとなったとき、国内の大学を選ぶ理由があんまりなかったし、僕は高校生のころから自分の会社をやっていて、セルフブランディングの大切さをすごい感じていました。当時、高校生から事業をしていて、UCLAレベルの海外大を卒業している人はほぼいなくて、進学を決意しました。

 

UCLAでの学生生活についてお聞きしたいです

人生何回やり直しても僕はUCLAに行くと思います。そのくらい充実した学生生活をおくれました。UCLAは課外活動をめっちゃがんばれっていう感じの学風なんですね。もちろん日本の多くの大学のカリキュラムと比べれば忙しいんですが、授業もそこまで忙しくない。例えば僕の行ったビジネス経済学とかだと、ほぼ全員起業するんじゃないかってくらい、皆活動的で、仲良くなった友達と事業を立ち上げるなんて日常茶飯事でした。

池上さんとUCLAの友人たち

学生たちのレベルは当然ながら一流で、僕は3年生からの編入でしたが、1年目からUCLAに通ってる人って、基本的にバケモノみたいな人達なんですよね。高校の成績がオールAは当たり前。SAT(アメリカの大学進学適性試験)が満点なのは前提条件なので、地頭も当然いい。それに加えて課外活動で光るものを皆持っていて、ディベート大会全米1位とか、物理オリンピック出ましたとか、そういう実績を持っている層がベースになっている。集まる学生の質も、さすがに世界トップクラスでした。

 

UCLAでの授業の様子について教えてください

課題というかテスト勉強が忙しかったです。普通に二徹とかありました。講義ではグループワークが結構多くて、特定の課題を複数人でやることが多かったですね。アメリカの大学で出される課題の特徴ですが、答えがない系のものが多いんですよ。経済だと、なにか課題があって、実際にこういうデータがあって、どうしていくのが正解かみたいな。教授も答えを持っていない、未来に対する問だったりすることもあるんですよね。そういう課題をディスカッションしながら考えるんですけど、最初は色んな文化の人が集まるチームの中で、一つのアウトププット出すのがこんなに難しいものかって思いました。議論の進め方も違うし、お互いが持ってるポジションも全部違う。出す意見の視点、前提知識も様々だから、楽しかったですがほんとに難しかったです。

ビジネス学だと、実際にあった課題で、アップルのマーケティング責任者が来て、その人が今持ってる課題について考えるというものがありました。アップルの顧客情報とか、データとか全部共有してくれて、現状アップルが抱えている課題の解決策を実際に考えてみるみたいな。そういうのはやっぱりアメリカならではかなと思いますね。

 

留学の準備のためには、まず英語を学ぶことが重要になるかと思います。池上さんが役員を務める、イングリッシュイノベーションズの特徴は何でしょうか。

まず、講師全員が英語のネイティブ話者である点です。海外留学の準備となると、特にTOEFLやIELTSといった、英語ネイティブも受験する試験を受けることになるかと思います。でも日本で、本当にそういう試験の対策を教えられる人っていうのは、基本的にはいないんですよね。そもそも各技能すべてで満点を取れる人が、日本人だとまずいない。取れるわけがないんです。だからうちではネイティブの先生が教えている。細かいニュアンスとか、ワードチョイスの部分とか、発音の部分とかって、やっぱネイティブか、かなりネイティブに近いバイリンガルにしか教えられない。それに、日本人にありがちな、よくない点数の取り方も避けることができます。

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日本人にありがちな点数の取り方、とはなんでしょうか?

偏った四技能で、総合スコアだけは目標を突破するという人が日本には多いんです。低い「書く」「話す」能力を、「読む」「聞く」能力で補って見かけの点数を稼ぐ、みたいな。それって全然本質的じゃないんですよね。英語を使いこなしたいわけであって、それこそ海外に行ったら、スピーキングやライティングの能力がより大事になるわけですから。

 

では、どのようなプログラムを提供されているんですか?

うちで採用されている学習メソッドは、アメリカ・ロサンゼルスが拠点の、MLI(Mentor Language Institute)という語学学校が提供しているものです。やっぱり英語学習は、当然ですがアメリカが最先端なんですよね。そのメソッドを使って、ネイティブの講師が、初級クラスからオールイングリッシュで指導します。使うテキストにも、日本語の記載は一切ありません。四技能をバランスよく強化していくことができます。

生徒さんたちのレベルは、入会間もない段階だと、初学者がほとんどです。講師陣もレベルに合わせた英語で対応してくれるため、心配しすぎる必要はないと思います。授業時間は基本的に演習をメインに行いますが、授業外で補習コースや、演習についていくための基本となる単語学習といった機会も用意されています。なので英語の授業についていけない、みたいな心配は不要です。実際にイングリッシュイノベーションズは、これまで3万人のスコアアップを達成していて、IELTSの公認パートナー校にも選出されています。留学や大学院進学のためにスコアを上げたい方は、ぜひ一度、相談にお越しいただければと思います。

講師と生徒のみなさん
最後に、学生に向けて伝えたいことはありますか?

色々ありますが、いかに希少性をセルフブランディングして作っていくか。希少性がなければないほど、人生で取れる選択肢は少なくなります。例えば就活して、一社しか受からなかったら、その会社がどれだけブラックだろうが、どんなに将来性のない企業だろうが、そこに行くしかないわけですよね。選択肢が限られてる状態って、その時点で負けてしまってるんです。逆に選択肢がたくさんあると、その時の状況や自分の心理によって一番いい選択ができます。

留学すると、というより英語が自由に使えると、その選択肢が増えるんです。外資系企業に入ることや、海外で働くこと、外国のクライアントを相手にビジネスすることもできるようになって、選択肢が何十倍にも広がります。スポーツや音楽とは違って、英語を学ぶことは誰にでもできて、日本社会では英語ができるだけで、自分の市場価値が格段に上がります。一番コスパがいいんですよね。でも学生のうちに、それに気づくのは案外難しくて、だから大人になってから英語を勉強し始める人たちが多いわけです。

ただ、英語ができるっていうのは抽象的なものなんですよね。英語を喋れるって自分で言うのは簡単ですが、それを証明するのは意外と難しい。証明する方法として一番簡単なものが海外大学を出ていること。その次に簡単なのが、TOEFLやIELTSといった試験を受けてスコアを取ることです。このどちらかをやると、英語ができることを社会に証明できます。僕は、日本の学生や若い人たちに、必ずしも留学をしてほしいとは思っていません。留学はあくまで手段なので、とにかく試験なんかも活用しながら英語を極めて、ぜひ自身の希少性を高めてほしいと思います。

池上聡太(25)
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)ビジネス経済学部出身。
イングリッシュイノベーションズ株式会社ならびに株式会社留学情報館にて取締役を務める。
そのほかTOEFL公認アンバサダー、港区教育委員会海外留学支援検討委員会メンバーとしても活躍。
(各役職は2024年7月現在)

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姫野太晴