SKIPは、慶応大学福利厚生機関「国際関係会」が運営する米国スタンフォード大学と慶應大学の学生による国際交流プログラムだ。2024年度は9月1日から開催され16人のスタンフォード生が来日した。現在、このプログラムには1年生から3年生の38人の慶大生メンバーが在籍している。SKIPの活動について、SKIP代表の千頭玲さん(政3)と副代表の島田愛里さん(総3)、王博之さん(商3)に話を聞いた。

 

高いアカデミック性と伝統

毎年SKIPでは、9月上旬にスタンフォード生を日本に招いて2週間交流する。SKIPの特徴としてアカデミック性と伝統が挙げられる。SKIPには少数ながら意欲の高いメンバーが集い、学びを得るために活動している。「探求したり、挑戦したりすることが好きな人が集まり、応援し合って一緒に何かを作り上げようとする雰囲気がある」と代表の千頭さんは語る。

当プログラムの設立は1956年。OB・OG会も定期的に開催され、現メンバーにアドバイスなどをしてサポートしている。

 

自分たちで一から準備

SKIPでは2週間のプロジェクトの中で様々な場所・人物の元を訪れる。準備全てを慶應義塾大学の学生であるメンバーのみで行うので、9月にある本番に向けて前年12月からメンバーが訪問先との交渉やホストファミリーの確保などの準備に励んでいる。大変ではあるがメンバー間の仲が深まったりスキルの向上に繋がったりするようだ。

 

スタンフォード生と学ぶ

SKIP 2024のテーマは「隠された日本の美」。日常の当たり前や、人との交流の中に隠されている普段の生活では気づきにくい美しさをスタンフォードの学生と探求することを目標とした。寿司、飴細工、茶道の体験を通しておもてなしの文化や、見た目の美しさも楽しむ食文化、その和食の背後にある意味などを学び、日本独特の考え方や伝統に注目した。

例年との一番の違いとして代表の千頭さんは広島へのショートトリップを挙げた。今年は映画「オッペンハイマー」が公開されたのに加えウクライナ戦争やガザ地区の紛争が激化し核兵器の懸念も生まれてきた年。広島でスタンフォードの学生と意見交換することは非常に意義があると思われた。被爆者の方や広島県知事の元にも訪れ話を聞いた。

 

他では得られない知見・経験

SKIPでは世界トップクラスであるスタンフォード生の学びに対する姿勢やプレゼン力を間近で体験できる。スタンフォードというネームバリューがあるために普段話を聞くことが出来ない企業や人からも貴重な話を聞くことが可能になる。

副代表の島田さんはスタンフォード生に日本人の魅力を知ってもらったことも大きな学びだったと語った。彼らは日本の美しい景色や食など所謂外国人が興味を持っていそうなものよりも、有名ではないけれども魅力的な活動をしている「人」に対して強い関心を持ったという。

副代表の王さんは日本人同士の交流についても語った。グループワークやプレゼンテーションの準備を時に対立しながらも協力して進めたことで、集団を動かす難しさと遊び以外でも仲を深める方法がある、という気づきに繋がったと話す。

 

今回のインタビューを通して、3人のSKIPに対する誇りと熱意を感じた。SKIPに興味のある人は、最新情報をインスタグラムからチェックしてみてはいかがだろうか。

https://www.instagram.com/skip.keio/?hl=ja

 

(狩谷東之介)