7月6日・7日両日、慶應湘南藤沢キャンパス(SFC)にて七夕祭が開催された。交通アクセスの不便さという難点をものともせず、今年も約1.5万人もの来場者に恵まれた。この秘密が「湘南学祭実行委員会の地域戦略に隠されているのではないか」という仮説を立てた我々は、湘南学祭実行委員会戦略部長西川大智さん(総3)と広報局長の草野春太さん(総3)に話を聞いた。

 

 

「地域の夏祭りとして」- 学園祭を超えた戦略 –

 

「七夕祭が他の学園祭と同じことをしても勝てない」

このように話す西川さんは、七夕祭が「地域の夏祭り」としての地位を確立することを目指したという。幼児を対象とした「ウィズキッズ」や、当日に装飾として使われる「夢短冊」が新たな試みの代表例だ。こうした活動はいずれも戦略部内の「地域の夏祭りとして他の学園祭との差別化を図る」というミッションを遂行する目的で行われた。地域の有力者が参加する会合に積極席に出席し、対外的な統括責任者として地域のお祭りに湘南学祭実行委員を人員として派遣することでその道を探っていたと話した。

「地域とのつながりは一朝一夕でできるものではなく、また一方的にお願いするだけでできるものでもない。だからこそ、長い時間をかけて藤沢市内外の多くの団体と相互扶助関係、連携の輪を広げていきたい」と西川さんは語る。

一方で、草野さんは広報局を管轄する立場として七夕祭地域戦略を下支えしてきたという。藤沢市の小中高にチラシを1.8万部配布したり、地域広報の一環として藤沢市の中高生と湘南学祭実行委員とのふれあいの機会を作る中高企画の実施を行ったりと、地域の人々との関係性構築に注力した。

 

地元の祭を連想させる踊り櫓(写真=提供)

 

 

委員会内でも丁寧なヒアリング

 

また、実行委員会内の他局との円滑な連携にも特に注意したという。草野さんは次のように語った。

「他の局から広報を依頼されることがあるのですが、その時は必ず草案を提出してもらうようにしています。自分たちで勝手に解釈してしまったら依頼者が本当に伝えたいことが伝わらないと思うからです。」

 

 

 SFCへ足を運ぼう

 

七夕祭が立地の難点をものともせず例年多くの来場者に望まれているのは、こうした藤沢市を中心とする地域の方々との地道な関係構築や内部委員同士の緊密な連携によるものではないだろうか。今年は七夕祭に行かなかったという人も来年はぜひSFCに足を踏み入れてはいかがだろうか。

 

七夕祭で催される打ち上げ花火(写真=提供)

 

前田颯人