日吉キャンパス協生館1階の日吉メディカルクリニックで、整形外科・スポーツクリニックを担当されている、医学博士岩本潤医師は、若者に骨粗鬆症予備軍が増えていることを懸念している。
骨粗鬆症とは、骨量の減少により、骨がもろくなり、骨折しやすくなる状態をいう。また閉経後の女性に多発する疾患でもある。骨粗鬆症は、高齢者の病という印象があるが、岩本医師は、子ども期から青年期の骨量が、将来の骨粗鬆症の発症に深く関係すると指摘する。「慶應の体育会の学生を対象に調査を行ったが、カルシウム・ビタミンD不足は、ほとんどの学生にみられ、骨量が減少する恐れがあった」。
では、骨量を増やすためには、どのような生活習慣が効果的なのだろうか。「カルシウムとビタミンDを摂取し、ジャンプを取り入れた運動を日常的に行うことだ。カルシウムを目安の一日800mg摂取しても、体内に排出されてしまうため、カルシウムの吸収を高めるビタミンDも重要だ」。
ビタミンDは、レバー・干し椎茸・青魚などの食品から摂取できるが、一定時間は、紫外線を浴びることで、皮膚で生成される。そのため紫外線対策をしている若い女性は、顔・体全体に日焼け止めを塗ってしまうと、骨量の減少につながってしまう。晴れた夏の日は、12分、冬なら22分は、外に出て日光浴することが望ましい。
骨量を増やす運動に、欠かせない要素は骨に刺激を与えるジャンプだ。日常のウォーキングやストレッチなどに、ジャンプを取り入れることが必要だ。
「大学生の女性は、ダイエットや日焼けを気にするあまり、カルシウム・ビタミンD不足をきたし、骨吸収(骨が溶けること)が亢進し骨密度が減少しやすい。学生のうちから、生活習慣を見直し、骨量を増やすことを意識してほしい」
(佐々木真世)
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