6月は、3年生が就職活動に向けて動き出す時期だ。初めの関門となるのがエントリーシート(以下、ES)だ。ESとはインターンの申し込みで最初に出す書類で、企業の志望動機や、学生時代に力を入れたこと(以下、ガクチカ)、自己PRなどを記入する。履歴書とは異なり、面接につなげるための重要な書類であるため頭を悩ます就活生も多い。本記事では、既に就活を終えた4年生4名の方にESについてのお話を聞いた。

今回協力していただいたのはNさん(法4,メディア)、Oさん(政4,IT)、Mさん(文4,コンサル)、Rさん(文4,銀行)である(カッコ内は就職する業界)。これから就活を始める塾生は、自分に合った書き方や内容を探す手段として参考にしてほしい。

 

ESを書く上で事前に取り組んでおくべきこととは

Rさん:自己分析ですね。ガクチカを書くための振り返りをしてました。企業によく聞かれる質問に対して学生時代に頑張った点や自分の強みを字数を決めてまとめていました。

Oさん:私は逆に特にテンプレートなどを作らずいきなり夏のインターンに提出しました。そうすることで自分のどこが足りないのか考えていました。ちなみにその最初のESは通りました(笑)

Nさん:私もOさんと似ていますね。習うより慣れろという感じです。あとは、Xや就活サイトで既にテンプレート化されているまとめを見ていました。

 

ESを書く上で重要だと思う点は

Rさん:結論ファーストで書くことですね。後に流れを書いて具体化することが人事の方にも伝わりやすいと思います。

Mさん:読み手は自分のことを知らない、との意識ですね。自分の状況や役割についてはしっかり説明した方がいい。自分がその中でしたことは面接で聞かれるので端的にまとめるのが必要ですね。ESは字数制限があるから、流れ重視で書いた方が伝わる。

Nさん:加えて個性が必要だと思う。ライバルの中で埋もれないように普遍的な単語を自分の言葉に言い換えて書くと試験官の記憶に残るESになると思います。

Oさん:ESってその人の判断する材料として提出しています。結果の羅列で終わるんじゃなくて、自分はどういう人かを収束させるように意識していました。

読み手の側に立って読み直すことや、他人に読んでもらうことでわかりやすいESに仕上げていく必要がある。また埋もれない努力が選考通過の秘訣だ。

 

志望動機の効果的な書き方は

Mさん:3段階で書くことですね。なぜその業界なのか、なぜその会社なのか、なぜその職種なのかについて書きました。

Oさん:字数を決めずに一度書いて、重要度順に並べていました。提出するときは字数制限に合わせて選んで書いていました。

Nさん:志望動機を書く際はなぜこの業界でないとだめなのかが重要。そこで現体験とその時の自分の感情も織り交ぜて伝えていました。

 

ES失敗談

Rさん:初期段階は流れの作り方が難しくてうまくいかないことがありました。先輩の意見は聞いておくべきですね。

Oさん:ESの出し忘れですね…夏は〆切が重なるからスケジュール管理しないと結構忘れます。

Mさん:字数内にまとめるのが難しかったです。対策として、自分の状況を知らない、かつ就活について知っている先輩に添削してもらい、情報の選別を手伝ってもらいました。

 

本選考のESとインターンのESの違い

Mさん:業界や業種について聞かれるのが本選考、自分自身について聞かれるのがインターンかな。

Nさん:抽象論でいうと、自分のこれまでについて聞かれるのがインターンのES、これからの自分について聞かれるのが本選考のESという気がします。

 

これから就活を始める人に向けて

Rさん:私は志望業界が特になかったので毎度会社に合わせてESを書いていました。私と同じような人も出すだけタダなので怯えず出してみてください。

Oさん:エピソードと会社との相性もあるので、落ちることに怯えずに出して欲しいです。また、後で後悔しないように気になる会社はどんどん申し込んでください。

Mさん:ESは会社に見せる最初の自分だからきっかけに過ぎません。緊張せずしっかり面接に繋げられるように書ければいいので緊張しすぎず頑張ってください。

Oさん:夏のインターンはコスパなど気にせず色々出してみてください。あと、落ちてしまっても本選考には影響ないので大丈夫です。

Nさん:数をこなしてみましょう。色々と参加する中で合う合わないが見つかってくるから、まずは色んな会社に挑戦してみてください。

 

就活への不安が募るこの時期、先輩からの話は貴重だ。怖気付かずに挑戦しよう。

 

(増田リコ)