キャンパスライフを過ごす学生において、日々の昼食は欠かせないものだ。勉学や部活動に勤しむような充実した生活のためには、何よりもバランスが取れた美味しい昼食を取らなければならない。日吉キャンパスには、そのような昼食を提供する「日替わりキッチンカー」が設けられている。キッチンカーは、楽しく気軽に栄養の取れる昼食を販売し、学生達の充実した学校生活を支えている。そこで、日吉キャンパスの日替わりキッチンカーについて日吉キャンパス事務センターの担当者に話を聞いた。

 

毎週火曜日出店 炭火焼牛タン専門店 じとっこキッチン ラキア

 

コロナ対策として導入

キッチンカーの導入は2021年のコロナ禍に始まった。導入の目的はそのテイクアウトできる形態を踏まえた、コロナ禍の食堂混雑緩和であった。キッチンカーの設置場所に関してもコロナの影響が大きかったという。現在キッチンカーが設けられている第6校舎には芝生広場や、食事場所として開放していたが利用率の低いグリーンズテラスがあった。ここに利用者を分散させようと第6校舎の前にキッチンカーが設けられた。それによって現在は、グリーンズテラスやキッチンカー前の芝生に座り、昼食を楽しむ学生の姿が見られるようになっている。

 

充実した昼食のために

ポストコロナとなった今、キッチンカーは充実した昼食の選択肢として、学生達の支えとなるよう様々な工夫がなされている。まず、キッチンカーの料理ジャンルはなるべく被らないように店舗と話し、販売日を分け、日替わりを実現した。衛生面では保健所やキッチンカーの専門企業と提携して、調理中、調理後の衛生を保っている。また、食べた後のゴミは、グリーンズテラスに大きめのゴミ箱を追加し、利用者自身が使い捨て食器を分別処理できるようにしている。

 

牛タン丼(じとっこキッチン ラキア)

 

 

キッチンカーの魅力

今伝えたいキッチンカーの魅力を聞いた。「キッチンカーは目の前で調理、盛り付け、提供まで見られ、出来立てをすぐに食べられる点が魅力です。今年度はラーメン店が導入され、ボリュームのある食事や珍しい料理も出来立てが食べられます。今は店主のご好意で学生証提示によるサービスもあります。ぜひお昼には学生証を忘れずに、キッチンカーに立ち寄って欲しいです」

コロナは収束し、学校生活は通常に戻った。それでもキッチンカーは日吉キャンパス事務センターや関係者の方々の数々の取り組みによって新たな価値が生まれ、現在多くの学生達から愛される食事処となっているようだ。

 

豚骨醤油ラーメン(木曜日出店 野方ホープ)

 

 

昼食問題の解決に向けて

日吉キャンパスのキッチンカーは今年度で三年目になる。ポストコロナにどのような変化や進化を遂げるのか気になるところだ。現時点での最も大きな課題として、調理時間と販売日がある。キッチンカーはその場で作るため提供までに時間がかかり、昼食時間内での販売個数が限られてしまう。また、営業を人の多い授業期間のみとしているため、そもそもキャンパスで販売してくれる店舗が少なく、料理のバラエティの担保が難しい。これからは課題に向き合いつつ、本来の目的である食堂の混雑解消のため、グリーンズテラスの食事提供の再開などキッチンカーと併用できる別の選択肢も模索しているそうだ。

 

ローストビーフ丼(水曜日出店 シャス・デリ)

 

 

コロナが終わり外食や共食も戻ってきたことで、日吉のキッチンカーは模索を続けながら、今日も充実した食事処として学生生活の支えになっている。日中の気温も高くなってきており、授業や部活動も本格的に始まる頃だ。キッチンカーに寄って、暑さに負けないよう精をつけてみてはどうだろう。

キッチンカーは月曜日から金曜日の11時30分から13時30分の間に営業している。

 

古谷礼子