2023年9月より正式にリリースされた、大学生と企業をつなぐサービス「BAS」。「Brand Ambassador Student」の頭文字をとった本サービスを通じ、学生は企業のブランドアンバサダーに応募できる。「学生生活で力を入れたこと」いわゆる「ガクチカ」が就職活動でますます重視されるなかで、「BAS」は私たち学生にどんなメリットを与えてくれるのだろうか。

 

注目を集めるアンバサダープログラム

企業や企業の提供する商品・サービスの顔として、宣伝に取り組むブランドアンバサダー。インフルエンサーや芸能人が起用されることが多いが、昨今は一般人が採用される例も増えつつある。そんなブランドアンバサダーに大学生を起用したい企業と、学生をつなげるサービスが「BAS」だ。各企業の募集するプログラムに応募した学生は、アンバサダーとして、同世代や若い年齢層をターゲットとした企画立案やプロモーションに携わる。各企業の業務に深くかかわるなかで、業界の雰囲気を肌で感じられる点も魅力だ。

 

活きた経験でミスマッチを減らす

アンバサダープログラムには、企業と学生の双方にとって不利益な、ミスマッチを減らす期待も寄せられている。企業のプロモーション活動に参加し、現場の第一線で活躍する社会人たちと一緒になって活動することで、学生のうちから、自分の興味がある業界のリアルを知ることができる。志望業界がまだ定まっていない、そんな学生にとっても、さまざまな業界の仕事を直に経験できる機会となるため、自身の働きたい業界について、考えるきっかけとなるだろう。また社会人や、おなじくブランドアンバサダーとして活動する同年代の学生たちとも交流できるため、普段の大学生活では出会えない人たちから刺激を受けつつ、広い人脈を形成することができる。実際に参加した学生からも、「自分とは全然違う感覚を持った学生たちと出会い、イベントを運営でき、刺激になった」「憧れの会社の本社で活動できて感動した」などの声があがっている。

 

アルバイトやインターンの罠

学生が実務経験を積む方法としては、ほかにもアルバイトやインターン等の手段が挙げられる。しかしアルバイトは多くの場合、単純な労働力として雇用されることが多く、インターンにしても、募集元がスタートアップ企業である場合、業績や待遇面が不安定であることが少なくない。また有名企業が実施するインターンであっても、採用活動を主としており、参加してみれば実態は企業説明と簡単なグループワークだけ、ということも。さらに長期間、活動に参加することを求められることもあり、幅広い業界を見てみたい学生にとっては悩ましい点だ。

 

学生にとって価値あるサービスの提供を

「BAS」の事業責任者、小野さんによると、そうした心配は、このサービスで募集されている案件には不要とのこと。期間については数か月程度の比較的短い期間での案件もあるようで、就職する前に見分を広めたい学生の需要にマッチしている。またいずれの案件についても、「単純な労働力として学生を求める、そういったものはお断りしている」といい、多くの人に知られるサービスや商品のプロモーションに、学生が社会人と肩を並べ、プロジェクトの根幹から取り組めるものを厳選している。だからこそ本サービスで募集されている案件は、他求人サイトやインターン募集でお目にかかれないものばかり。履歴書にも書ける、正真正銘のキャリアを、学生時代から積むことができる。

 

本サービスについて小野さんは、「学生のためのサービス。これはゆるがない。大学生が力を出せる場、経験を積める場を提供したい」と力強く語る。今後の方針について聞いてみれば、秋口にかけ、さらに提携する企業数を増やし、学生に紹介できる案件が増えていく見込みとのこと。学生のキャリア支援に本気で取り組む本サービス。貴重な大学生活で、将来的なキャリアを考えたい、もっと経験を積みたいという学生は、ぜひ利用してみてはどうだろうか。

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姫野太晴