留学。誰でも一度は憧れるものではないだろうか。筆者の体験をもとに、長期休暇中に比較的気軽に行ける短期留学を紹介したい。
筆者にとって短期留学が初めての海外経験。不安な点が多くあったため、留学期間や留学先は専門の斡旋業者に依頼をし、話し合いをしながら決定した。場所はイギリスのロンドン。期間は1カ月間と決めた。
短期留学の滞在方法に様々な選択肢がある。どれも一長一短はあるが、筆者はホームステイを選んだ。ロンドンでホームステイをする場合、家族の一員として迎えられるというよりは、部屋を間借りしているだけという印象がかなり強かった。ホストファミリーは留学生の生活にあまり干渉してこない。
ホームステイで一番大切なのはホストファミリーに洗濯、掃除、食事など、日常生活において疑問に思ったことを何でもなるべく早めに質問すること。最初のうちにルールを知っておけば、後で揉めて互いに嫌な思いをすることも少なく楽しく過ごすことができる。
ロンドンでは現地の語学学校に通った。筆者の通った語学学校には、韓国、トルコ、スペイン、イタリア、イラン、ウクライナなど実に様々な国籍、様々な年齢の生徒が集まっていた。
日本人とは異なり、他国の生徒、特にヨーロッパ人は文法、発音の失敗を恐れることなく英語で話す。また、イギリスでの大学進学を見据えた長期留学の生徒も多い。そのため、始めの2、3日は積極的な生徒に圧倒され発言がなかなかできなく、孤独な気持ちにさいなまれた。
しかし、休み時間を利用して、日本のこと、自分の趣味など簡単な会話から始めていけば、英語を使って話す機会はおのずと増えてくる。筆者がロンドンに行った時期はちょうどバレンタインデーと重なっていたために、各国のバレンタイン事情の話でかなり盛り上がった。
語学学校に通う全ての生徒の目的は、英語で会話をすること。勇気を出して自分から一歩踏み出せば、国籍、年齢に関係なく英語を使って会話ができる。
週末には本場のミュージカルを観賞したり、美術館巡りをしたり、簡単な買い物に苦戦したり。普段とは違う刺激的な毎日を送ることができる。日本がいかに便利であるか感じられた。
留学中は日本にいるときと異なり全ての行動は自分で起こし、責任を持たなければならない。困ったことがあれば自分で解決するのが当然となる。
普段は他人に頼って生活をしている学生にとって、短期留学は大きな意味があるのではないだろうか。
3カ月未満の短期留学で十分な語学力がつくと考えるのは甘い。確実に語学力をつけたい場合、最低でも1年の留学経験が必要となるだろう。しかし、短期留学で得られるものがあることもまた事実である。
(亀谷梨絵)