2024年度の慶大志願者は昨年度から微増する見通しだ。学部別にみると志願者が増加したのは文、経済、商、医、理工の5学部。なかでも経済A方式、商A方式は10%以上、400人以上増加した。どちらも数学が必須となる方式で国立大との併願が多いとされ、また文系の学部だが理系の志願者も多い。減少したのは法、総合政策、環境情報、看護、薬の5学部。総合政策、環境情報の減少幅が目立った。
来年度から新課程に対応した入試が始まるため、今年度の受験生は安全志向が高いとされる。過去にセンター試験にリスニングが導入された2006年には浪人数が14.3%減少した。新課程の導入が志望者動向に大きな影響を与えていると考えられる。大学進学率は上昇傾向にあるものの18歳人口は減少しており、大学入試全体の受験者は減少している。少子化の影響で学生の確保が大学の課題となる昨今だが、慶大の志願者数は2020年度からの5年間では3万人台後半で推移しており、他の私大と比べ比較的安定している。今後も慶大ならではの魅力で受験生を惹きつけてほしい。
(山浦凜)