新ジャンルのスポーツとして近年急速に注目を集めている『eスポーツ』。今年6月にはIOC主催の「オリンピックeスポーツウィーク」が初開催されるなどその盛り上がりぶりには目を瞠るものがある。慶大最大eスポーツサークル『TitanZz』の代表吉田さん(総2)に、eスポーツの魅力及びサークルの活動形態について取材した。

 

eスポーツの魅力として、誰にでもプレイできることが真っ先に挙げられる。性別や体格に縛られず、ゲーミングデバイスさえ通せば銃で闘いレーシングカーを飛ばすことができる。そして一般的にイメージされるスポーツと同様、勝敗のつく競技としても当然面白い。

 

eスポーツ「観戦」の面白さとしては、勿論神業的プレイに観客席が沸くこともあれど、選手達がその背景にもつドラマも注目される。例えば、長年決勝に進出するも優勝を逃してきたチームがいたり、今回の大会を兵役前最後の参戦として位置づける韓国人プレイヤーがいたりする。選手あるいはチームに厚いファン層がつくことも珍しくなく、それらドラマとの相乗効果で試合の熱狂はより高まるのだそう。

 

ゲームとeスポーツとを分かつ要素とは、吉田さんいわく競技性の有無である。個人で黙々とプレイする在り方ではなく、他者と競い合うこと、その競技性が生まれた時点でそれはeスポーツだと吉田氏は定義する。人と人とが対戦し、観客は試合の様相に一喜一憂する。基本の在り方は一般に言われるスポーツと何ら変わりない。

 

慶大Eスポーツサークル『TitanZz』には現在100名超の部員が所属しており、基本はオンラインの活動形態をとっている。ゲームのジャンルやタイトルごとに部門が分かれており、大きく分けてFPS部門・LoL(League of Legends)部門・シャドウバース部門の三部門がある。また、部門ごとに大会出場を想定した代表チームが組まれている。代表チームの各プレイヤーは概して一日3時間程度の練習時間をとり、大会直前期は週3.4回ほどチームでの演習も行う。

 

eスポーツ界隈において、学生を対象とした公式大会の数はそう多くない。そのため、他大学との競技会を執り行う際には主にサークル主催のコミュニティ開催の形をとる。昨年9月、早稲田大学eスポーツサークルと『TitanZz』により行われたeスポーツ慶早戦もコミュニティ大会の形式だった。

 

eスポーツ早慶戦で現地に集まったサークルメンバー

 

サークルメンバーはプロゲーマー経験があるという人から、大学入学以降にパソコンを買ったばかりの初心者まで幅広い。サークルに入ることで共に高め合える仲間ができるので、初心者でも早期に上達できる環境になっているそう。学年は1年生から院生までいるがそれほど上下関係は厳しくなく、比較的フランクな雰囲気でゲームを楽しめる。

 

取材の最後に、eスポーツや『TitanZz』の活動について関心のある塾生へ向けたメッセージを吉田さんより頂いた。

 

「eスポーツと聞いても、正直最初は一体ゲームなのかスポーツなのかよく分からないと思います。eスポーツの動画や配信は世に溢れておりますので、少しでも興味があれば軽い気持ちで覗いてみてほしいです。サークルが扱ってるゲームタイトルは本当に多様なので、君の好きなゲームも必ずあると思います。気軽に遊びに来てください。お待ちしています」

サークル入会はX (@TitanZz_Esports)において年中受け付けている。

 

(余澤愛)