9月29日から10月4日にかけて行われた2023年度男子第77回全日本大学対抗テニス王座決定試合において、見事優勝を飾り三冠を達成した慶應庭球部。その偉業は46年ぶりだ。

今回は庭球部のインタビューを2回に分けてお送りする。第1回は主将・藤原智也選手(環4)、副将・林航平選手(理4)、主務・神田喜慧選手(法4)に当時の心境と今後の展望を聞いた。(以下、敬称略)

 

―先日行われた王座戦はいかがでしたか。

藤原:早慶戦、リーグ戦と優勝することができていたので自信をもって試合に臨めました。「王座を取りたい」という思いは、いままで自分が経験してきた3回の王座戦の中で一番強かったです。

神田:本当に人生でこんなに幸せなことがあって良いのかなと。多分もう二度とできない経験をしたのだろうと思います。OBも含め部員の46年分の思いの結晶が今回優勝に繋がり、主務として自分がこの場にいれたことが、かけがえのない経験になりました。 ―三冠を達成した今、今後の庭球部の目標を教えてください。

林:連覇という意味で早大の記録を越して慶大が一番になってほしいと思います。また、全員が四年間やり切ったと言える生活を送れる部活になってほしいです。僕がOBになっても、感謝を込めて、できることをしたいと思っています。

 

―幹事として一年間部員を引っ張ってこられた皆さんですが、そのなかで苦労したことはありますか。

藤原:「主将を演じきる」というところに一番時間を割きました。主将でありエースであるので、期待に応えないと、と常に思っていました。自分が主将として何ができるのかを考えた時に、一番強くあるべきだという考えに辿り着いたので、とにかく負けないことを意識していました。

 

―塾生に向けてメッセージをお願いします。

藤原:波は絶対にあると思いますし、それで良いと思います。ただ、目標は失わないようにしてほしいです。夢や目標を見失わなければ戻ってこれるので、常に目標をもち、それを達成しても次々目標を立てていけば努力は報われると思います。

林:自分が好きなこと、やりたいことを最後まで突きつめてください。そして、自分のもとにきたチャンスに飛び込んでください。そうすればまた違う世界にいけるのではないかと思っています。

神田:「成し遂げるために人ができることは微力を尽くすことだけ」という言葉があるのですが、僕はこの言葉がすごく好きで。結果を出したいと思って微力を尽くしていれば巡り合わせのような運がまわってきます。目の前のことに対してできることを微かながらやることを大切にしてください。僕も50、60代になって2人とテニスをした時に勝てるよう今後40年間また変わらず微力を尽くし続けようかなと思います。

小山実穂