文学部の専攻振り分けが迫っている。慶應塾生新聞では、先月22日にオンラインで東洋史学専攻の岩間一弘教授にインタビューした。進むべき専攻に悩む文学部1年の一人として感じていた疑問について、教授に話をうかがった。

 

最初にお聞きしたのは、「東洋」史学と他の史学系専攻の違いは何か、またどのような生徒が来るべき専攻であるかということだ。特に東洋史と西洋史に関しては頭を悩ませる学生も多いのではないだろうか。

 

岩間教授は問いに対し、次のように述べられた。

日本史や西洋史と重なる部分は確かにあるのかもしれないが、あくまで学習の軸は東アジアや中東からなる「アジア」にある。フィールドワークは少なく、外国の資料に触れることが多い。論文執筆においては外国語資料の読み取りなどが求められるため、「アジア」そのものとアジア地域の諸言語に対する関心をもつ学生を希求する。

続いて、外国語の資料を紐解いていくことについて、文学専攻とはどう異なってくるのか尋ねた。

 

教授は、簡潔にいえば歴史専攻は事実を扱い、文学専攻はフィクションを扱う点で異なると述べられた。歴史を学ぶ中で文学作品を扱うことはあるが、歴史専攻ではフィクションではなく歴史上の真実を学び研究するとのことだ。

史学系の専攻は、卒業後の進路に見通しを立てにくく、選択することに不安を抱く学生もいるはずだ。

 

教授によれば、東洋史学専攻では2年次から海外の学生や研究者と交流する経験を積む。そのため専攻の卒業生には、専攻で学んだ歴史と関係がなくとも、海外と関わる仕事に就かれている塾員が多いという。

 

教授は、慶應義塾文学部が2年次から各専攻へ分かれることの利点についても述べられた。入学してから専攻を決定するまで、1年生は一般教養の講義を通じて各専攻に関連するさまざまな学問に触れられた。この経験は、進む専攻を決断するために参考となるだろう。

岩間教授の言葉が、これからの大学生活を左右する専攻分けにおいて後悔のない判断の一助となるかは、おのおのが自らの経験と向き合って真に学びたい分野について考えられるかにかかっている。

 

足田悠斗