三田祭最終日の26日。メインステージではフラダンスサークル「Pilialoha」による公演が行われた。霧雨の中、メンバーの華麗な姿を一目見ようと多くの観客が詰めかけた。
美しい衣装に身を包んだ彼女たちが笑顔で登場すると、雨空の暗い雰囲気が一気に明るくなった。
1曲目は「Ka Nohona Pili Kai」。日本人に馴染み深い「涙そうそう」が元となった曲だ。ノスタルジックなメロディーに合わせ、マリンブルーの鮮やかなドレスで観客の注目を集めた。
2曲目は「Ta Ha Ua」。「ウリウリ」というマラカスのような楽器を鳴らしながらエネルギッシュに踊った。
3曲目は「Na Ka Pueo」。初々しい一年生によるパフォーマンスだ。赤いハイビスカスの髪飾りが印象的だった。
4曲目は「Koali」。マウイ島のアイランドカラーであるピンクの衣装に身を包み、朗らかな笑顔で舞った。
5曲目は「’Uhe’uhene」。「プイリ」という細長い棒状の楽器を用い、ピンクの豪華な花冠を被ったメンバーたちが客席を盛り上げた。
6曲目は「Ku’ U Hoaloha」。手をつなぐ振りで仲間への愛情を表現した。夕日色のスカートを揺らし、観客を魅了した。
7曲目は「Ka’ a Na Ale」。人気曲「ハナミズキ」のハワイ語バージョン。海色のドレスを靡かせ、ゆったりとした切なげなメロディーに身を任せた。
最終曲は「Hilo Medley」。4年生による一糸乱れぬ見事なダンスだ。
長い緑のフラレイを首にかけ、爽やかな笑顔を振りまいた。三田祭最後のステージで有終の美を飾った。
公演後、Pilialoha代表の木間杏さんと鈴木花歩さんが取材に応じた。
「本公演への準備は矢上祭公演後からのおよそ2か月間でした。今回は曲を掛け持ちするメンバーが多く、短期間で完璧に仕上げる必要があり、練習はハードでした」
マウイ島の伝統的な曲を選んだことに対して次のような思いを述べた。「観客の皆様に、今年8月マウイ島で起きた大規模な山火事を忘れないでほしいという気持ちを込めました。私たちのダンスが、微力ながらもマウイ島のためになればいいなと思います」
最後に、お世話になったフラサークルの先生に大きな感謝を伝えたいと述べた。また、昨年までのコロナ禍では様々な制限がある中ステージを行ってきたので、今回多くの観客の前でパフォーマンスすることが出来、非常に感動したという。「たくさんのお客様に足を運んでいただけて嬉しかったです。本当に感謝しています」
冷たい霧雨の中だったが、華やかなフラダンスのおかげで心が温まった。マウイ島に思いを馳せるきっかけともなり、最終日にふさわしい素晴らしい公演だった。