第68回早慶バスケットボール定期戦が先月6日、日吉記念館で開催された。ラスト14秒のスリーポイントシュートで逆転負けを喫し、通算33勝34敗と負け越した昨年の雪辱を果たすべく臨んだ今大会。最終ピリオドまで互いに逆転を繰り返す接戦の末、慶大が82―77で逃げ切り、勝利を収めた。この結果を受け、慶大は大会通算成績を34勝34敗と再びタイに戻した。
(伊藤那美)

慶大のスターティングメンバーは主将の二ノ宮(環4)、酒井(環4)、岩下(総4)の4年生トリオに、家治(環3)、「将来が楽しみ」とヘッドコーチも期待するルーキーの蛯名(法1)である。対する早大は相井、井出、大塚、久保田、河上である。
 大歓声の中、最初のゴールを家治が決めると、慶大は家治と岩下を中心としたオフェンスで終始早大を圧倒。慶大リードの11―2としたところで早大はたまらずタイムアウト。慶大リードのまま23―16で第1Qが終了した。
 しかし第2Qで流れは一転。早大の激しいディフェンスを前に二ノ宮がターンオーバーを犯し3回目のファウルを取られると、慶大は早大に31―29まで追いつめられ、慶大がタイムアウトを取る場面も。
 41―36の慶大リードで迎えた第3Q序盤、早大のキャプテン相井の2本の3Pシュートによって41―42と、慶大は逆転を許す。
 以後、両者譲らない接戦が繰り広げられるが、60―58と慶大が再びリードを取り戻したところで第3Qは終了。
 第4Q序盤、慶大は流れを掴めず60―63と逆転を許してしまう。しかし岩下のゴール下や酒井のスティールからの速攻が決まり、残り5分9秒で同点に追いつく。
 その後も両者譲らず、残り2分46秒の時点でも71―71と緊迫した状況が続く。しかし、二ノ宮がドライブからのレイアップで76―74とリードすると、勢いに乗った慶大は蛯名、岩下が連続でゴールを奪い、78―74まで差を広げる。
 すかさず早大が最後のタイムアウトを取るが、その後も慶大リードの状態が続き、82―77で試合終了。
 岩下は試合後、「これほど勝ちたいと思っていた試合は無かったので、試合終了のブザーを聞いた時は思わず感極まってしまった」と、試合を振り返った。
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 試合終了と同時に二ノ宮ら4年生が流した涙は、慶大の今大会に懸ける強い想いを物語っていたと言えよう。