幅広い分野で活躍
クリエイティブさを模索
今回お話を伺ったのは環境情報学部1年の鶴田浩之さん。
鶴田さんを一言で表す事は難しい。Webデザイナー、社会起業支援家の中間支援団体の代表、イベントディレクター、Twitter学生など様々な言葉が当て嵌まる。しかし全てに共通して言えることは「クリエイティブ」という言葉に尽きるだろう。
中学2年生の時、当時流行っていたカードゲームの情報をデータベース化し、ファンが売買取引できるHPを作り、そのアクセス数が1日4万件にも上った。「中学の頃からWebを使えば、自分で仕事ができるという将来的なビジョンはありました」と振り返る。
「中学、高校時代に得た収入は、本や海外への一人旅など自分自身の知識や経験となるための投資に使ってきました。何かに対して試行錯誤を繰り返すということが自然と身につくようになった」と語る。
その中で自分のためだけに仕事をしても満足しきれない自分に気付いたという。「人のためになることをしたい。そんな時に『社会起業』という言葉に出会いました」
ネットで社会起業を調べるうちにSFCの存在や、水面下で動いていた「社会起業支援サミット」というイベント企画を知った。社会性と事業性の両立という考え方を少しでも世の中に広めたかったという。高校生ながら当時住んでいた九州と首都圏を往復し、ネットを駆使した参加が始まった。翌年には、全国規模に拡大した組織で400人の代表を務めた。
「Twitterに着目したのもこの頃。シンポジウムやイベントを中継したり、Twitterや社会起業の両方とも認知度がなかった頃なのでかなり先駆的な活動でした」
09年9月にSFCへ入学。「興味がなかった分野でも新たな発見があったり、高めあえる人材が沢山いたりしました」と語る。
最近では「Twitter世界一斉ゴミ拾い」を企画、Twitter学生としてNHKの特集にも出演した。「Twitterを使ったソーシャルムーブメントを起こそうと思い、この日はこのツイートを見ている人々はごみ拾いをしよう、と呼びかけました。日本の国会議員の方からアメリカ、フィンランドまで、ごみ拾いをしたというツイートと写真がアップされていました」と話す。
現在は「Twitterキャンドルナイト」の運営に携わる鶴田さん。世界で一斉にキャンドルを灯し、国を超えて心を通じ合わせることを目的としている。
「何をやるにも大事なのはそれが成功している所をイメージすることですね」と語る。
9月からは大学を1年間休学し、世界1周の旅出る鶴田さん。「迷うよりも思い立ったら行動に出ます。0を1に変えるクリエイティブさと感動を提供し続けられる人間でいたい」と強い瞳で話してくれた。
(西村綾華)