9月9日、東京六大学野球が開幕した。慶大は、4季ぶりの優勝に期待がかかる。その中でキーマンとなるのが、主将・廣瀬隆太選手(商4)だ。豪快なホームランが魅力の廣瀬選手。今季も打撃の中心として期待される。さらに六大学野球の通算本塁打記録の更新にも注目が集まる。廣瀬選手に、記録更新への、そして今シーズンへの意気込みを聞いた。
―春のシーズンからキャプテンとして、そして攻撃の主力として活躍されましたが、昨シーズンをどう振り返りますか。
昨シーズンは、3位という結果に終わってしまいました。法政(昨季2位)、明治(昨季1位)に負けはしましたが、すごくいい試合ができていたので、その分悔しい思いがあります。秋季リーグでは明治、法政に勝ちたいです。
―廣瀬選手の魅力の1つに豪快なホームランがあると思いますが、ご自身の中で印象に残っているホームランがあれば教えてください
去年の法政戦のホームランです。9回ツーアウトからの逆転のホームランだったので印象に残っています。
―東京六大学野球の本塁打記録(23本の)記録更新まであと5本と迫っていますが、意識されていますか。
もちろん、意識はします。しかし自分のスイングを変えたりなどはしないので、今までやってきたことをやるだけだと思います。
―日米野球など、国際大会を通して意識して取り組まれたこと、得た経験はありますか。
アメリカのピッチャーはレベルがすごく高かったです。球速もありました。その中で自分の対応力が課題になりました。またチーム内でも周りのレベルが非常に高かったので、自分はもっと頑張らなきゃいけないなというモチベーションをもらいました。
―今シーズンの目標を教えてください。
本塁打記録がかかっているので、記録を更新したい思いはあります。ただ、あまり打席の中で意識せずに、自分のバッティングをしたいと考えています。
―慶應義塾高校の甲子園優勝などもあって、慶大野球部に大きな注目が集まっていますが、試合を観に来た塾生に見てほしいポイントはありますか。
やはりバッティングです。ホームランを打つところを見てほしいです。
―今年の夏、慶應義塾高校のエンジョイベースボールというコンセプトが世間的にも注目されていますが、高校での教えが今でも生かされていると思いますか。
高校時代は野球の技術も、組織的なことも自分で考えてやってきたので、自分で考える力は大学でも生かされていると思います。
―打席にはどのような意識で立っているのですか。
ホームランを打つというよりは、しっかり強いスイングをすることを意識しています。
―六大学野球の中でライバルとして意識している選手はいますか。
明治の上田希由翔選手(4年)です。1年生の時からお互いに試合に出て、中軸を任されていたので、切磋琢磨してここまでやってきました。やはり負けたくないという気持ちがあります。
―春のシーズンでは主に、3番打者として活躍されましたが、チームの中でどのような役割を担っていると考えていますか。
3番は、チャンスで打席が回ってくるので、しっかり打点をあげることを意識しています。どういう場面でも、チームを勢いづけられるようなバッティングをしたいです。
―夏の期間を通して、個人として1番注力したという練習はありますか。
守備に重点を置いて練習しました。チームとしても個人としても、春はエラーが多かったので、もう一度、守備の基礎から見直して、またダブルプレーも多く取れるように意識して練習をしました。
―守備に関してですが、昨シーズンは、ファーストとして多く出場されましたが、今シーズンは、セカンドとして出場されている印象が強いです。どちらが、得意だと感じますか。
ファーストとセカンドは競技が違うといってもいいくらい違います。どちらも得意な部分がありますが、今はとにかくセカンドに専念して練習しています。
―プロ志望届を提出されましたが、プロ野球への意気込みを教えてください。
小さい頃からの夢だったので、もちろんプロに行きたい気持ちはあります。でも、とにかく今は、リーグ戦で勝つことだけを考えています。
―目標とされている選手はいますか。またどのような点を参考にしていますか。
牧秀悟選手(DeNA)や、浅村栄斗選手(楽天)など、右打者で長打が打てるセカンドの選手に憧れています。スイングなどを参考にしています。
―今年度からキャプテンに就任し、チームを引っ張っていく立場になりましたが意識の変化などはありましたか。
キャプテンは、日常生活でもグラウンドの中でも、みんなのお手本にならないといけないと思っています。僕は言葉で引っ張るタイプではないので、自分の背中を見てほしいと思います。
―キャプテンとして、チームを見ていて、この夏のトレーニング期間を通して1番伸びたと思う選手はだれでしょうか。
宮崎恭輔選手(環4)です。元々力はありましたが、あまりホームランは出ていない印象でした。この夏はすごくいい弾道で打球が上がっていて、オープン戦でも結構ホームランを打っていたので、打撃が良くなっていると感じます。
―後輩の選手で、活躍を期待している選手はいますか。
渡辺和大投手(商1)、広池浩成投手(経1)、竹内丈投手(環1)、田上遼平投手(商1)をはじめとした1年生の投手陣です。本当にいいピッチャーがたくさんいます。彼らの力を借りて秋は優勝したいです。
―1番期待を寄せている野手は誰でしょうか。
2年生の森村輝選手(総2)、今泉将選手(商2)に期待しています。監督からの期待も大きいと思います。バッティングもいいですし、 来年からどんどん試合に出ていくと思います。
―チームの1番のストロングポイントはどこですか。
春よりも打線はかなりよくなっていると思います。9月9、10日に行われた立教戦でも宮崎選手や本間颯太朗選手(総3)がホームラン打つなど、みんなの打力が上がってきているので、そこが強みだと思います。
―打線強化のために、チームとして、夏場に取り組んだことはありますか。
チームでの取り組みは特にないですね。個人で、自分の技術向上に努めていました。
―早慶戦に向けての意気込みをお願いします。
どういう展開で早慶戦を迎えるかはわからないですが、ベストの状態は、早稲田と慶応がどちらも優勝争いをした中での早慶戦だと思うので、その展開に持っていけるように頑張りたいです。
―慶大野球部を応援している塾生に対してメッセージをお願いします。
春は惜しくも3位という結果に終わりましたが、この秋は法政、明治に勝って、優勝できるように頑張ります。