SNSが発達している今日、大学生のニュースの入手方法はかつてとまったく異なっている。今回、Z世代の塾生51名を対象に、メディア利用についてのアンケート調査を実施した。

 

ニュースを見る媒体、「インターネット」が最多(複数回答可)

普段ニュースを知る媒体として最も利用されているのはインターネット(96.1%)で回答者のほとんどが利用していた。
それに対してテレビを利用する人は60.8%。Z世代の塾生のテレビ離れの傾向は明らかで、ニュースを得る方法としてはインターネットが親しまれていることがわかる。

メディア媒体自体は「エックス」(旧「ツイッター」)が人気

次に、普段触れているメディア媒体(アプリ)について質問したところ「エックス」が76.5%と最も高い割合となった。先月イーロン・マスクがツイッターのブランドを「エックス」に変えたことで話題だが、エックスは他のアプリと違い、ニュースに対するさまざまな世間の反応が知ることができるのが特徴だ。

普段触れるメディア媒体(アプリ)に関するアンケート回答

 

「自分好みのニュースがよく出てくるなと感じることがある」は58.8%

「自分好みのニュースがよく出てくるなと感じることはありますか」という質問に対して「はい」と答えた回答者は58.8%であった。SNSでは個々のユーザーの趣味や嗜好が企業によって調べられ、「おすすめ」として表示される。一見便利に思えるが、偏った情報を見続けることで、思考や発想までも偏るかもしれない。
実は総務省の統計によると日本の40%程度の人しかこの「情報のフィルター」を知らない。そう考えるとZ世代の塾生による認知度は比較的高いのかもしれないが、さらなる啓発が求められている。

塾生は「多様なジャンルに触れること」で対策か

「自分好みのニュース以外も見るように工夫していますか」という質問に対し「はい」と回答した人に、どんな工夫をしているのか選択式で聞いた。1位は「様々なジャンルを見るようにしている」(61.5%)で2位が「複数の媒体を利用している」(35.9%)となった。アルゴリズムの存在を理解している塾生の多くは、何らかの形で意識的にそれを避けようしようとしているようだ。

今回のアンケート調査の結果から、Z世代の慶大生は、主にインターネットやSNSを通じて情報を得ていることが分かった。SNSの普及によりメディアとの接触方法は大きく変わり、個別化された「サジェスト」がされているが、その一方で情報のバイアスが心配される。適切なメディアの活用と情報の選択が、慶大生一人一人の意見形成や社会への貢献において重要になるだろう。

徳永皓一郎