最高の夏だ。きっと一生、忘れない。16時50分、ゲームセット。熱狂が渦巻いた。駆け寄った9人の選手は、満面の笑みで喜びに身を任せた。慶應が、夏の甲子園で優勝を決めた瞬間だ。
23日、全国高校野球選手権記念大会(夏の甲子園)にて慶應義塾高校が優勝を飾った。決勝戦で仙台育英高校を8対2破った。慶應の勝利は107年前の1916年(大正5年)以来。甲子園会場は、塾生や全国から応援に駆け付けた塾員らによる「若き血」の応援で熱気に包まれた。試合後には日吉駅前に勝利を祝う塾生や地域住民が集い、喜びを分かち合った。
友人ら3人で試合中継を見守ったという塾生(文2)は、「開幕からずっと応援していた。決勝進出という歴史瞬間は、絶対にリアルタイムで観ると決めていた」と声を震わせる。「仙台育英は昨年の優勝校で、厳しい相手だと思っていた。先頭打者のホームランでリードしたときには、3人で歓声を上げて喜び合った」
「感動をありがとう!烈火のごとく勝ち進み 優勝!優勝!優勝!」試合終了後、東急日吉駅は、構内の電光掲示板にメッセージを掲示。駅前の日吉中央通りも、大弾幕で「祝 優勝おめでとう!慶應義塾高校」と掲げた。駅前には、勝利を祝う塾生や地域住民がつめかけた。西口のミスタードーナツも2階の窓に「優勝おめでとう」のメッセージを掲げ、丸善日吉東急アベニュー店も、店頭に「感動をありがとう」のメッセージとともに夏の甲子園の特集コーナーを設置。日吉の街は祝福に溢れた。
日本高等学校野球連盟とともに甲子園を主催する朝日新聞社は、日吉キャンパスの前で号外の配布を実施。見出しには「慶應107年ぶりV」の文字が輝いた。つめかけた周辺住民らは、歴史的な記念号を求め長蛇の列をなした。