日曜日、三田のメディアセンターが休館で困っているという声が「塾生ホンネ調査班」に寄せられた。記者が話を聞いたところ公立図書館では、パソコンの利用禁止や、自習そのものを許していない場所もあるため、やはり日曜日も大学図書館を利用したいとのこと。
「メディアセンターの中の資料なども閲覧したい。オンラインで閲覧できる資料もあるけれど数は限られているし、日曜日も利用できる早稲田の図書館は遠い。」という声もあった。
多くの蔵書を誇り便利な三田メディアセンターがなぜ日曜日に閉まっているのか調査した。
調査協力機関:三田メディアセンター
予算上厳しい日曜開館 しかし12月、1月は開館
現在 、三田メディアセンターは授業実施日程に合わせて日曜日には閉館している。2003年度からはすべての日曜日に開館していたが、予算の削減や利用者が平日と比べるとかなり少ないことを受け、徐々に日曜日の開館日数を減らしていき2014年度には開館を止めた。三田メディアセンターは他キャンパスよりも規模が大きいため、開館し管理するためには、人件費、光熱費などの施設管理費が多くかかってしまう。メディアセンターの運営予算には限りがあるため、利用者が少ない日曜日に開館するのは難しいとのことだった。
ただし、12月から1月は卒業論文や修士論文の執筆や期末試験対策の時期と重なり多くの利用者が見込まれるため、2015年度から開館している。
長期滞在を想定しないキャンパス構造
矢上キャンパスのメディアセンターには、24時間開放されている自習室がある。三田でも同様の取り組みができないか尋ねたが、キャンパスの構造上難しいとのことだった。
矢上キャンパスの理系の研究室は24時間滞在することも念頭に設計されている。自習室も同様に、メディアセンターの中を通らなくても直接入れるような独立した造りになっており、学生の安全確保にかかるコストも最小限で済む。一方、文系の学生が主に使う三田キャンパスは学生が夜間に滞在することがもともと想定されていない。24時間キャンパスを開放するには、学生の安全確保が難しく、人件費や光熱費が増えるため予算的にも現実的ではない。
アンケートで塾生の声の窓口に
三田メディアセンターはアンケートなどを通じて利用者の意見を積極的に取り入れている。現在の12月と1月の日曜日に開館する取り組みは、利用者アンケートでの塾生の声を受けたものだ。
アンケートは16年12月 2 日から17年 2 月 2 日まで行われた。入館ゲート前にボードを設置し、ボードに書かれた12カ月から日曜日に開館してほしい月にシールを張ってもらう形式だ。利用者が気軽に回答できるうえ、集計もしやすく、回答状況がリアルタイムに見られることで利用者の目を引くことができた。アンケートの結果、12月、1月の開館を望む声が多かったという。
現在は、メディアセンターの問い合わせフォームが主な塾生の声の窓口になっている。最近は、閲覧室などにQRコードを貼りアンケートを行うなど、実施方法も工夫している。実際に、塾生からの要望の多かった電源プラグの増設、声出しブースの設置などが実現した。
アンケートにも一年を通して日曜日に開館してほしいという要望はあるというが、利用者数の少なさ、予算の制約を考えると実現は難しい。メディアセンターは、アンケートで常に塾生の声を多く集めている。予算的な制約もある中で、真摯に塾生と向き合い運営を模索する様子がうかがえた。三田メディアセンターの公式サイトにあるお問い合わせフォームからいつでも意見を投稿することができる。塾生の皆さんも要望を挙げてみてはどうだろうか。
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