5月15日、三田キャンパス三田演説館で福澤先生ウェーランド経済書講述記念講演会が開催された。

 慶應4年5月15日、戊辰戦争のさなかでも福澤先生はウェーランド経済書の講義を続け学問教育を他の何よりも優先させた。慶應では福澤先生が大切にしたこの建学の精神を伝統として長く伝えるために毎年5月15日に記念講演を行なっている。

 慶應義塾創立150年を迎えた今回は、塩澤修平経済学部長が「慶應ボーイ小泉信三 気品の泉源・智徳の模範の体現者」と題し講演を行った。

 小泉信三氏は普通部より慶應義塾に学び、体育会庭球部の選手としても活躍していた人物。昭和8年から22年まで慶應義塾塾長を務めた。また同24年には皇太子殿下(今上天皇)の教育参与となった。

 塩澤学部長は、小泉氏を、知性・ユーモア・フェアプレイの精神などを持った「慶應ボーイ」の典型であったとして紹介した。

 また小泉氏が塾長時代に残した「心志を剛強にし容儀を端整にせよ、師友に対し礼あれ」といった塾長訓示を例にとり、小泉氏の教えが現在の塾生にも通じる、心得るべき重要なものであることを示した。

 会場には多くの塾員・塾生が詰めかけ、塩澤学部長の話に真剣に聞き入っていた。講演の後には、小泉氏に関する質疑応答も盛んに行われた。