「当たり前」ではない「当たり前」
学生時代にしか持つことの出来ないパワーを、社会のために使いたい。そんな理念の下集まった学生が、先月21日、表参道ヒルズ・スペース オーにて、チャリティーイベントを行った。主催したのは、学生団体U-Lead。国際NGO団体Room to Readの、日本唯一の公認大学生チームである。
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Room to Readの活動は創設者ジョン・ウッドの「教育の機会を提供することで貧困の連鎖を断つ」という信念に則り、発展途上国の子供たちに教育の場を提供することを目的としている。
この理念・活動に共感するサポーターは、現在日本国内で7000人を超える。サポーターの多くは社会人であり、時間に余裕のある学生の力を活かすことができないか、と考えた有志が、昨年9月に立ち上げたのが、U-Leadである。
教育を受ける立場にある学生自身が、当たり前のように受けてきた教育の重要性を見直し、発展途上国における教育の重要性を同じ学生に伝えていく。そんな思いを胸に、活動を行ってきた。
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今回行われたチャリティーイベントのテーマは、「One Dream~インドの女の子に教育の機会を~」。One Dreamとは、教育を受けることで、夢の実現へ近づくということだ。女子教育の重要性にフォーカスを当てたことについて、女子教育が家族の健全、地域の健全、そして次世代への良い影響と連鎖していくことを知ってもらうことが狙いだという。
実際に春休みにインドに滞在した団体のメンバーによる、支援先インドのありのままの紹介から、アーティストによるライブパフォーマンスと、イベントは多岐に渡った。当日は500人を超える大学生が集まり、大盛況のうちに終わった。
イベントには入場料が設けられていたが、その入場料は、全額インド女子教育支援プログラムに寄付される。全額寄付を達成するために、メンバーは様々な企業から協賛を募り、会場提供やイベント景品の提供など、約10社が賛同してくれたという。
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「当たり前のことが、当たり前じゃない国もある。それを知って、身近なことから何か始めようと思ってもらえたら嬉しいです」
代表を務める持田裕子さん(経3)は、まずは実情を知ってもらうことからはじめたい、と話す。
発足して1年足らずの間にイベントを2回行い、走り続けてきたU-Lead。今後は持続的に啓蒙活動を行うことを視野に入れ、商品開発、大学生以下の学生への講演などを計画中だ。
「何か社会のためにアクションを起したいと思っている学生のために、いつでもドアは開いていますよ。」
学校に行って、勉強することができる。そんな当たり前の価値を噛みしめながら、今後もU-Leadは活動を重ねていく。
(橋爪奈津実)