全塾協議会事務局は5月29日、同会所属の卒業準備委員会を解散し、今年度から園遊会を中止にすることを明らかにした。卒業準備委員会の不透明な財務管理や、園遊会後の卒業生の悪質な行為が解散・中止に追い込んだ要因。例年、卒業準備委員会が中心となって進めていた同期三田会の結成は、今年度は事務局が代行する。

(高橋祐規)

 昨年6月、卒業準備委員会が400万円を越える負債を抱えていることが発覚。一昨年以前の園遊会費の一部が未払いであることが、園遊会に携わる業者側からの督促で露呈した。引き継ぎの不備、領収証の紛失や未提出など、会計担当者の粗雑な財務管理が原因と見られている。また会計に関し一部不明確な部分もあり、業者との癒着による不正経理の疑いももたれていた。

 卒業準備委員会の監査を行っていた全塾協議会事務局は、負債の返済と不正経理の疑惑解明のため、昨年度は園遊会の運営に介入。不正経理疑惑は領収証確認の徹底により解消され、負債に関しては前年度卒業生から徴収した園遊会費から立替金を捻出することで返済した。現在、実質的債務者である数年前の卒業生に督促しており、支払いが済み次第、立替金を2008年三田会の会費として返却する予定だ。

 準備委員会の会計以外にも、園遊会後ホテルに宿泊した卒業生が起こす器物破損や暴力沙汰が、近年問題となっていた。前年度園遊会の会場となった横浜アリーナ付近の一部のホテルでは、事件防止のため塾生の締め出しが行われたが、縁故関係を利用してホテル宿泊を強引に進める、宿泊先のホテルで従業員に暴力を振るうなどの事件が発生。全塾協議会事務局が応対していた。

 事務局は大学と話し合いを設け、対策を検討。しかし事務局は、問題の解消は困難であり園遊会の継続は不可能と判断し、卒業準備委員会の解散と園遊会の中止に至った。

 園遊会は実質的に業者により運営されており、準備委員会の自治組織としての存在価値がなくなったことも解散に至らせる要因となった模様。参加者が4000人を超える園遊会の規模から、卒業準備委員会のみでの運営は困難であり、業者に依存せざるを得ない状況だった。

 卒業準備委員会は、卒業式後に開かれる園遊会の企画・運営以外にも、卒業生への記念品贈呈、同期同窓生によって構成される三田会の結成と卒業者名簿作成を行っていた。三田会の結成は事務局が代行するが、そのほかは全て廃止する方針だ。
 なお、前年度までの卒業準備委員会の残務に関しては、全塾協議会事務局が対応していく。

 全塾協議会事務局局長の加藤友紀さん(経3)は園遊会に関して「対策を練り、現存の問題を打開できる代替組織が現れれば、開くことは可能だ」としている。

 事務局は今後、ウェブサイトなどで園遊会の中止を公表する予定。公式な事前告知はなく、突然の中止発表となったため、4年生を中心に混乱が起きる可能性もありそうだ。