【東急線の日吉駅と新横浜駅を結ぶ東急新横浜線は、3月18日より運用が始まる。新横浜駅からは羽沢横浜国大駅を経由し、西谷駅で相鉄本線に直通運転を行う】

東急・相鉄新横浜線、いよいよ開通へ

3月18日、東急線と相鉄線が直通し、日吉・三田・湘南藤沢キャンパスがつながる。慶大日吉キャンパスの最寄り駅である横浜市港北区の日吉駅と同区新横浜駅を結ぶ5.8kmの路線である東急新横浜線が開通する。同時に新横浜駅からは、相鉄新横浜線の新横浜駅~羽沢横浜国大駅間の4.2kmの区間が新たに開通し、東急新横浜線と直通運転を行う。新横浜線の開通によって、沿線に住んでいる塾生にはいうまでもなく、JR横浜線や新幹線で通学する塾生の利便性も高まることが予想される。

東横線は急行の増発、目黒線はラッシュ時の増発が目立つ

東急新横浜線では「急行」か「各停」、相鉄新横浜線では「特急」か「各停」の種別が運行されるが、いずれも新横浜線内ではすべての駅に停まる。また、ほとんどの列車は、東急東横線と目黒線に直通運転を行うため、日吉駅のダイヤも大きく変わる。2月17日に東急電鉄が発表した改正ダイヤによると、日中は東横線の急行列車が約30分間隔で新横浜線に乗り入れ、湘南藤沢キャンパスの最寄り駅である湘南台駅まで直通する。もともと横浜方面で運転していた急行列車の行き先を変えるのではなく新横浜線直通の急行列車が増発する形であるため、横浜方面への利便性が下がる恐れはない。平日朝の渋谷方面の列車は、1時間に4本運行していた菊名始発を廃止する代わりに、相鉄線から直通する急行を4本増やす。この改正によって東横線では急行がおおむね4~7分間隔に運行される。また、平日夜には、菊名行の各停列車が廃止され、代わりに新横浜線に直通する湘南台行の急行列車が増発される。
東急目黒線は、日中には、各駅停車は相変わらず日吉止まりで運行されるが、急行は15分間隔で新横浜線と直通運転を行う。このうち半分は新横浜止まり、残りの半分は相鉄本線の海老名駅まで直通運転を行う。平日朝には、さらに湘南台行も運用される予定である。また、各駅停車も新横浜線に乗り入れ、新横浜行や相鉄線海老名駅行、湘南台駅行などが運行される。このダイヤ改正により、朝のラッシュ時に運行される目黒線の列車の本数が増えることになる。また、各駅停車の追い越し駅は武蔵小山駅から奥沢駅に変更され、急行の所要時間も約2~5分短縮される見通しだ。

相鉄線の利便性は高まるが、所要時間がほぼ変わらない区間も

今回の新横浜線の開通で、キャンパス間の移動時間の短縮が期待される。日吉キャンパス~湘南藤沢キャンパスの所要時間は、従来の横浜駅を経由するルートよりも約15分短くなる。SFCに通学している塾生が日吉キャンパスで催されるサークルや部活動、各種イベントなどに参加しやすくなるとみられる。一方で、SFCから東横線の終着駅である渋谷駅までは、既存の路線を利用するのと所要時間はあまり変わらない。また、相鉄線の各駅から三田キャンパスまで通学する塾生は、新横浜線の定期を発券することによって日吉キャンパスも定期区間内になる。
新横浜駅は東海道新幹線の停車駅でもある。遠方から来る受験生や、新幹線を使って日吉・湘南藤沢キャンパスまで通学する塾生には朗報にほかならない。新横浜駅から日吉駅までは、菊名でJR横浜線から乗り換える必要があったが、今後は不要になる。運賃も東急一社だけになるため、325円(値上げ後)から250円になる。

JR横浜線で通学する塾生は

新たに開業する東急・相鉄新横浜駅は、JR横浜線との乗り換えが可能であるため、横浜線を使って通学する横浜市西部・東京都町田市・神奈川県相模原市の塾生の通学経路に影響を与える見込みだ。以下は、橋本駅(JR・京王線)から三田キャンパス・日吉キャンパスに通学している塾生Aの経路と、所要時間と運賃である。


三田キャンパスに通学する場合、新横浜線を利用することで、運賃は最大424円高くなるが、東京都心での乗換などを避けることができるため利便性は大幅に改善されると見られる。一方で、日吉キャンパスに通学する場合乗車する区間が「新横浜~日吉」のわずか二駅であるため、所要時間に大きな差はない。また、JR横浜線の新横浜駅から東急の新横浜駅までの乗換が菊名駅での乗り換えに比べて時間を要し、運賃も70円追加でかかるため、かならずしも新横浜駅乗り換えが便利とはかぎらない。

新綱島駅は「日吉―綱島」間の定期があれば使用できる

綱島エリアに住んでいる塾生には、「新綱島駅」の開業も気になるだろう。東急電鉄は、新綱島駅は、運賃などにおいて綱島駅と一緒と扱う方針である。したがって、すでに東横線の「綱島―日吉」間の定期をもっている人は、追加料金なしで新綱島駅を利用できる。「新綱島―新横浜」の間を含める経路は、追加で運賃を徴収する。

鉄道主要各社、運賃値上げ実施へ 通学定期運賃は据え置き

3月18日には、新横浜線の開通の他にも、すでに東急東横線と直通している西武線と東武線のダイヤ改正も予定されている。西武電鉄は混雑時間帯の東京都心方面の特急列車の増発、東武東上線は快速列車の廃止と快速急行停車駅の大幅増加などの変更がある。
また、JR東日本や東急電鉄など、首都圏の様々な鉄道会社が、3月18日より乗車券の運賃値上げを実施する。JR東日本は、バリアフリー化を実現するための値上げとして、すべての区間において10円ずつ値上げを実施する。東急電鉄は、乗車運賃を13.5%値上げすると発表し、渋谷~日吉間の運賃は220円から250円に、日吉~横浜間の運賃は199円から227円(IC)になる。だが、通学定期券は値上げの対象外となる。

 

朴太暎