慶應義塾大学法学部への進学が決まった皆さん、おめでとうございます!
いよいよ4月から始まるキャンパスライフ。サークルに授業に、入学するにあたり決めなければならないことは目白押しですが、中でも最初にぶつかる壁が第二外国語の選択です!
どの言語を履修しようか迷う人も少なくないのではないでしょうか。そんなあなたのために、それぞれの外国語でどのように授業が進められるのか?試験は?課題は?など塾生目線で紐解いていきます。今回は法学部編です!
*先生により内容や評価の方法は異なりますので、あくまで参考にしていただければと思います。
*以下の内容は2022年度以前のものです。履修に際しては『外国語科目・総合教育セミナー履修案内』などを必ず参照の上、選択してください。
法学部の外国語とは
法学部では「英語」、「ドイツ語」、「フランス語」、「中国語」、「スペイン語」、「ロシア語」、「朝鮮語」、「アラビア語」という8つの外国語から、2つの言語を選択して学びます。それぞれ週に2コマずつ、合わせて週4コマ外国語の授業を受けるのが基本です。選択した言語によってクラスが分けられ、そのクラスに割り当てられた授業を選択することとなります(言語によっては自分で授業を選べるものもあります)。意欲次第で「ポルトガル語」を含む次の9言語の中から第3、第4の外国語を追加で履修することもできます。
アラビア語以外の外国語では「インテンシブコース」を選択することができます(2022年現在)。インテンシブコース、通称インテを選択した外国語は週に4コマ授業があり、集中的に外国語を学ぶことが可能です。
選択する2つの言語のうち、どちらか一方でしかインテを選択することはできません。インテを選択すると、1年間で取得できる単位数の上限が48単位から52単位に増えます。選抜試験がある言語もあるので注意が必要です。
英語インテンシブ
○どうして履修しようと思ったの?
・英語力を維持したかったが、英会話教室に行くのは面倒だなと感じていた。大学の授業の中で4コマも英語の授業をとれるならそれでいいじゃん!となって選択した。基本的には海外経験がない人向けのクラスなので、英語力を維持したいが、海外経験は皆無という私にはインテがぴったりだった。
○授業ではどんなことをやるの?
・必修のクラス2つと選択必修のクラス2つの週4コマの授業で、やることは先生によって異なる。必修のクラスはどのグループでも同じ先生、同じ内容で、4技能をまんべんなくカバーするような授業だった。必修のうち1人の先生は社会問題などについて生徒同士が会話することがメインで、もう1人の先生はプレゼン能力やディスカッションスキル、論理的思考力、社会をよくするためにはどうすべきか、といったようなことに重きを置いていた。
選択必修はグループに関係なく、6つの授業から2つを選んで履修する。内容は先生によってまちまちで、ドラマ、演劇、翻訳、アカデミックライティング、異文化理解、言語学、ワールドニュースなどさまざまな視点から、英語の力を養うことができる。英語を習うというよりも、英語で授業を受けていく中で英語を運用する力をつける、世界の文化やシステムを知るといった授業だと感じた。
どの授業も出された課題や予習をしていって、授業中はそれの確認や発表、それにまつわる先生のお話やディスカッションという流れで進むことが多い。年に数回、大きめの発表(プレゼンや劇、ディスカッションなど)があるが、それ以外でも積極的な発言や参加が求められる。
○授業はどんな雰囲気だった?
・スピーキングメインの授業が多く、クラスメイトとたくさん話すことができて楽しい。クラスの人数も少なく、授業の数も多いのでかなり仲良くなれる。私の場合はどの授業も発表が多く、しんどいときもあったが、大体何とかなった。初めのうちは緊張しすぎていたが、慣れてくると英語でお話しに行くだけなので、気楽に授業に臨めた。多少ミスしてしまったり、詰まってしまったりしても温かく見守ってもらえるので、英語が苦手でも頑張りたい気持ちがあるなら心配することはなし!
○履修していて楽しかったところ
・週に4コマも英語で話しっぱなし、聞きっぱなしなので、英語力は維持できた。私の場合は、ライティングの課題にかかる時間がどんどん短くなったことで、ライティング力が伸びたと感じた。ただ、英語力的にはすごくできる人も、頑張りたいという気持ちで来ている人も幅広くいるので、すでに英語力の高い人はその力が格段に向上するということはないかもしれない。週に4コマもあり、英語を使う機会が多いというところが最大の利点。
みんなの仲が良く、たくさん話す機会があったのもよかった。どの授業も法政と法法が混同なので、友人の輪が広がった。発表を終えたあとの達成感や連帯感が大きいのも推しポイント!
個人的に一番よかった点は、博識な先生方のお話を聞くことができたことだ。さまざまな分野の専門家の先生が幅広い知見を与えてくださるので、お話を聞くだけでためになるし、楽しかった。
○履修していて、難しかったところ、大変だったところ
・授業の難易度的には難しすぎるということはないと感じた。難しいところと言えば、先生が求めていることが分からなかったり、授業のテーマによっては求められることが難しかったりすることだろうか。Zoomの授業だと会話の間や発言のタイミングがつかめないこともあった。個人の英語力が問題で、授業が著しく困難になることはないと思う。
授業の種類が少ないのにどの科目よりも優先されるので、履修が組みづらいというのも難点な気がする。一般教養や系列科目で取りたいものがあっても、そこを避けて選べるほどクラスが豊富なわけではないので、2年生になると困る人もいるかもしれない。
○課題の量(教授によるため、一例)
・完全に先生によってまちまち。多い人は毎週課題が出る上に難しいが、少ない人は全く難しくないし、全く大変じゃない。電車の中でさくっと終わらせられるくらいの課題の先生もいる。毎週課題を出さない先生も大きめのプレゼンやライティングが控えていることが多い。ただ全体的には課題は多いと言えるかもしれない。
○期末テストの様子
・ない人がほとんど。
ペーパーテストはないが、大きいプレゼンやディスカッション、ライティングをテスト扱いにして、評価を行う先生が多い。ペーパーテストがない分、大きな課題や発表だけでなく、普段の課題の提出率や授業への参加が評価のうち大きな割合を占める。だからこそ普段の授業に出席できる人は問題ない。
英語第Ⅳ(レベル2)
○どうして履修しようと思ったの?
・TOEFL iBTの成績が入クラス試験免除の点数だったから。帰国子女がたくさんいるクラスで、英語のスピーキングを鍛えたかった。
○授業ではどんなことをやるの?
・教科書やテキストは使ったことがなく(先生によると思うが)、授業中に先生から資料を配布されるなどして、課題に取り組むイメージ。選択した授業によりやることは全く異なる。スピーキングに特化し、先生が提示したお題についてひたすら議論する授業もあれば、映画を観てそのレポートを毎週提出するだけの授業もあり、自分がReading、Writing、Speaking、 Listeningのどれをトレーニングしたいかで選ぶ授業が変わってくる。
○ 授業はどんな雰囲気だった?
・正直自分のレベルでついていけるか不安だったのでレベル1で申請したが、レベル2に移されていた。が、とにかく皆が拙い英語をニコニコして聞いてくれるし、いい感じに翻訳してくれるので安心して授業に挑めた。
授業への参加が評価に占める割合が大きいので、出席するのが大事。英語力でレベル2への参加を不安に思う人は、一生懸命話し、課題を提出する気概があれば、みんな優しいので全然大丈夫!
そもそもこの授業を選択してる人は英語は普通に話せる、書ける、理解できて読める人と思われるので、劇的な成長や伸びは無いかもしれないが、英語の話す感じを忘れたくない人のブラッシュアップや、ライティングを鍛えたい人は有効。帰国子女や英語圏に住んだ経験があり、自分より遥かに流暢な子がたくさんいるので、自分のレベルを上げたい人には良いコースだと思う。
○履修していて楽しかったところ・よかったところ
・和気あいあいとした雰囲気で、皆バックグラウンドが多彩で面白い。基本的に社交的な人が多く、話す機会も多い。
クラスは1年生と2年生、法政と法法が混合なので楽しい。また、人数が少ないので、結構すぐ顔見知りになれたのもよかった。
○履修していて、難しかったところ、大変だったところ
・帰国子女が多いので、話すのが苦手だったり、スピーキングが弱いと結構苦労する。授業にもよるが、基本的にどの授業も英語で行われる(日本人の先生でも)ので、リスニングができるのは当たり前とされる。
○課題の量(教授によるため、一例)
・結構負担が大きい授業があり、特にライティングの多い授業が散見された。期末の時期に1500 wordsのレポートなどを1週間で書き上げなければいけないなど、他の科目の勉強をしたいタイミングで大きめの課題があったりする。基本的に毎週小レポートやその日の授業の振り返りなどを書くことが多い。
○期末テストの様子
・授業内容により、毎週の課題が評価対象だったり、期末にグループプレゼンテーションをしたり、筆記の試験があったりとさまざまである。鬼のように難しいテストは2年間で出会ったことはない。
ドイツ語
○どうして履修しようと思ったの?
・ドイツ語の響きがかっこいいので憧れがあったから。法学部なので、ドイツ語とフランス語が理解の助けになるという話を聞いて、それまで習ったことのないドイツ語を履修することにした。
・なんとなく法律学科にドイツ語のイメージがあったから。
○授業ではどんなことをやるの?
・教科書に沿って、ひたすら文法事項について学習した。週2コマあるので、通常であればおそらく1年で教科書1冊分は終わらせることができると思う。前期は先生がオンライン苦手だったためか、発音の仕方や文法の解説が載ったテキストが配布されただけだった。後期はご病気のため先生が交代して、週2の授業で1時間は対面、もう1時間はzoomという形になった。前期の状況を聞いた先生が、教科書を初めからやり直してくれたので特に学習や速さに問題はなかった。
・教科書はなく、文法の勉強と会話の練習をした。文法クラスのドイツ語第Ⅰ・Ⅱでは、1年間でドイツ語の文法を網羅する。プリントベースで演習問題などを解きながら文法理解を深める授業だった。コミュニケーションクラスのドイツ語第Ⅲ・Ⅳでは、日常会話から始まり、実際にドイツに行った際に使えるドイツ語の勉強をした。先生との会話はもちろん、生徒同士でドイツ語でインタビューをしあったり、絵本を作成したりした。
○授業はどんな雰囲気だった?
・対面授業になってからは、先生が生徒の理解度を都度確認していたので、やや急ぎ目でも充分ついていけた。ただ教科書の内容を確認するだけではなく、時々ドイツ語の動画を見ることもあり、楽しく勉強できるよう工夫されていた。また、授業開始前に課題を確認しあうなど、同級生とコミュニケーションを取る機会も増えたので楽しく授業が進められた。
・文法クラスは先生が文法の説明をして、問題を出してそれに生徒が答える形式だったので先生ベースで授業が進んでいた。そのため授業は対面ではあったが静かな雰囲気だった。コミュニケーションクラスは対面で行われ、内容も会話をするというものであったため生徒同士、先生と生徒とが授業内でコミュニケーションを取れていた。よく笑いが起きたりなど非常に楽しい雰囲気の中行われた。
○履修していて楽しかったところ・よかったところ
・発音はほとんどがローマ字読みと同じか似ているので、いくつかある特殊な読み方を覚えれば良いだけであまり苦労することはなかった。発音ができるようになるとドイツ語を喋っている実感が湧いて楽しい。
・コミュニケーションクラスでは内容が非常に面白くかつ雰囲気も良かったのですごく楽しかった!実際にインタビューやドイツ語の会話をすることで非常にドイツ語が身についた気がする。
○履修していて、難しかったところ、大変だったところ
・英語と発音や文法の構造が似ているようで全く違うので混乱するし、覚えにくい。うっかり英語に近い発音をしがち。人称変化で動詞の活用が変化する。ある程度の法則はあるが、覚えづらい。格変化というものもあり、簡単に言うと主格、所有格、主目的格、副目的格で冠詞の形が変わる。これが一番難しく、面倒くさかった。男性名詞・女性名詞・中性名詞があり、覚える必要はないが、冠詞の形が変わるので 注意しなければならない。
とにかく文法が難しく、使いこなすのが大変だった。
○課題の量(教授によるため、一例)
・前期は課題もテストも無し。通常であればどちらもあると思う。後期は学習した章の練習問題を解いてくることがほとんどだった。一回につき約10問ずつくらい。授業中に1人1問ずつ答えて、確認をした。たまに、動画を見て例文を抜き出すという課題が出たが、動画に字幕もついているので簡単だった。
・ほぼなし。
フランス語
○どうして履修しようと思ったの?
・受験の時に世界史を勉強してフランスの歴史や文化に興味をもったから。
○授業ではどんなことをやるの?
・文法を集中的に習い、先生の発音に合わせて発音練習をするのが基本。
○授業はどんな雰囲気だった?
・緊張感があり、課題やテストがこまめにあるので着実にフランス語の実力がつきます!
○履修していて楽しかったところ・よかったところ
・洋服やお店の名前はフランス語表記のものがとても多いので、街中で見かけて理解できると楽しいです。
○履修していて、難しかったところ、大変だったところ
・とにかく課題とテストが多い。
○課題の量(教授によるため、一例)
・多い
○期末テストの様子
・筆記試験(クラス試験、学年統一試験)2回
フランス語インテンシブ
○どうして履修しようと思ったの?
・高校の時にコロナでフランス短期留学が中止になり、せっかくなのでフランス語を頑張ってみようと思ったから。
○授業ではどんなことをやるの?
・初習者クラスなので、アルファベの読み方から始める。週4コマ授業があり、そのうち3コマが日本人の先生の文法中心の授業、1コマがネイティブの授業。2年になると週4コマのうち、日本人の先生とネイティブの先生の授業半々になります。ちなみに、2021年は対面とオンラインのハイブリッド授業だった。
○授業はどんな雰囲気だった?
・人数は30人くらいだった。他の言語に比べて、女子が多いと思う。週4コマ授業があるため、友達は作りやすい。授業は、フランス語を音読したり、練習問題を当てられて各々解答したりする明るい雰囲気だった。
○履修していて楽しかったところ・よかったところ
・これは長所でもあり、短所でもあるが、授業が多いということだ。授業回数が多いので、良くも悪くもフランス語に強制的に触れる。また、インテンシブコースにはモチベーションの高い人が多い印象を受けた。そのような環境に身を置きたい!という人はおすすめかも。
○履修していて、難しかったところ、大変だったところ
・授業が多いがゆえに、時間割がキツい。取りたい般教と被る確率も高くなってしまう。また、ネイティブの授業のテストはオンラインでしたが、私にはちょっと難しかった………。
○課題の量(教授によるため、一例)
・先生によって違うと思うが、私の場合そこまで多くなかった。日本人の先生の授業では、文法の練習問題が宿題になるが、毎週ではなかった。ネイティブの先生の授業の宿題もほぼなかった。春や夏の長期休暇には、パソコンで解答する文法問題の宿題があるが、そこまで負担には感じなかった。