2月14日はバレンタインデー。チョコレートを口にする機会も多いだろう。今回は、チョコレートの元となるカカオの研究を行っている、慶大医学部・井上浩義教授にカカオの持つ健康効果について話を聞いた。
カカオには抗酸化作用のあるカカオポリフェノールが多く含まれている。この成分には、血管の老化の原因となる酸化ストレスを取り除く効果があり、高血圧対策になるそうだ。さらに、この成分は美肌効果もある。アーモンドにも同様の効果があることから、井上教授は、特にアーモンド入りの高カカオチョコレートを勧める。アーモンド入りチョコレートを一日に8粒食べると、皮膚のターンオーバーが促進されるという実験結果が出ているという。
また、カカオには食物繊維も多く含まれており、便秘解消効果もある。便通を改善し、腸をきれいにすることで、直腸がんや大腸がんの予防にもつながり、アンチエイジング効果が望めるという。
さらに、高カカオは砂糖の含有量が通常のチョコレートよりも少ないため、ダイエットにも向いているという。井上教授は、チョコレートの他にも、高カカオを摂取できる食べ物としてシュガーゼロのココアパウダーを挙げる。「カレーなどの隠し味としても活用でき、食事に取り入れやすくおすすめ」そう語る教授自身も、普段からカカオを摂取することを意識して食事をしているそうだ。
最近の日本では、ミルクと砂糖の占める割合が少なく、カカオを70%以上含む高カカオチョコレートの販売数が増加している。このようなチョコレートにはアンチエイジング効果が期待でき、日本の市販のチョコレートは新たなフェーズに入った、と井上教授はいう。どの時代も老若男女から愛されているチョコレートだが、その要因はチョコレートがギフトとして普及しているからだという。特に、北欧や欧州では日本と比べ、4~5倍チョコレートの消費量が多い。これは、日本よりも海外の方がギフトとしてチョコレートを渡す文化が強く根付いていることが関係しているという。そんなカカオについて熱く語ってくれた教授にチョコレートの差し入れを沢山いただいた。様々な産出国の種類のチョコレートを食べたが、それぞれ味が全く異なっていて、どれも美味しかった。
手軽に、美味しく、健康効果が期待できるカカオ。バレンタインを機に、自分へのもしくは他の誰かのために、ご褒美として高カカオチョコレートを味わってみてはいかがだろうか。
(久米里佳・服部花保)