1月2日、3日に行われる第99回東京箱根間往復大学駅伝競走(以下、箱根駅伝)に貝川裕亮選手(環4)が関東学生連合の一員として選出された。大学で長距離種目に取り組んできた4年間の集大成となる、箱根駅伝への意気込みと熱い思いを語ってもらうため、話を聞いた。
「陸上を始めた幼い頃からの自身の夢であり軸でもあった箱根駅伝に、本当は慶應というチームで出場したかった。その悔しい思いと自分の16年間の競技人生のすべてをぶつけるような走りをしたい。第100回目の大会となる来年こそ、30年ぶりに慶應としての出場が叶うよう、後輩たちを勇気づける走りをしたい」
慶大生としてユニフォームを着て走ることへの熱い思いだけでなく、後輩への期待ものぞかせた。
小学生の頃から続けてきた長距離種目の魅力について聞くと、彼自身が感じる長距離の醍醐味を語った。
「スポーツの中でも長距離種目は、必殺技はなく、地道で泥臭い努力が結果に直結する競技。努力の成果が数字として結果に出る時が嬉しい」
慶大で競技に励んできた4年間で印象深かったことについても聞いた。
「2年生が自分の中での転換期。コロナ禍の影響で合宿ができなくなった。その代わりに強化期間を設け、早朝深夜練をした。苦しかったが、この期間を乗り越えたあとは、チームとしての力が大幅に飛躍し、数字として結果に出た。練習は質にこだわりがちだったが、量をこなすことも大切だと感じた」
良い結果が出た当時を思い出すように、喜びの表情をにじませた。
しかし、記憶に残っている思い出は嬉しかった思い出だけではない。昨年の箱根駅伝の予選会を辛かったこととして挙げた。
「黄金世代と呼ばれていた先輩たちと共に挑んだが、結果は19位。チームとしての出場を逃し、とても悔しかった。絶望のような思いを抱いた」
そんな4年間を経て、一番に感謝の気持ちを伝えたい人物がいるという。
「関わってくれたすべての人に感謝したい。特にヘッドコーチの保科さんは、時には厳しいことも言われつつ愛のこもった指導をしてくれた。出会えてよかったと伝えたい」
最後に陸上競技に取り組む慶大生へメッセージを伺った。
「長距離に限らず、陸上競技は辛い時や地道な部分が多い。でもそれが積み重なって花開いたときには、やっていてよかったと思える。その瞬間を大切にしてほしい。数字として自分の成果を残せることには、大きな意味がある。結果を出すためにどうすればよいのか考えることを一緒に楽しんでいきたい」
箱根駅伝、そして陸上競技に対する情熱を燃やす彼の活躍に、今後も目が離せない。
(久米里佳)