三田祭最終日の11月23日、メインステージにて津軽三味線集団弦音巴の迫力ある演奏が響いた。
1曲目の「燎」は、6期(現3年生)のオリジナル曲。代表の藤原さん(政3)は、観客の未来を明るく照らすように、そして、弦音巴が今後も必要とされるところで灯り続けるように、と願いを込め演奏したと語る。三味線の力強い音に加え、この曲に込められた温かな思いが感じられる演奏だった。
2曲目は、「津軽じょんがら節六段」。総勢28人の力強い音が体中に響くような重厚感のある演奏だった。
「躍動」、「覚醒」と演奏が続き、最終曲は、「IWAKI」。青森県の岩木山をイメージして作られたというこの曲で、最終日の演奏を締めくくった。今日の演奏をもって引退する3年生の繊細なバチさばきから、三味線に対する強い思いが伝わってきた。
当日は雨で足元が悪しくも多くの観衆が集まった。それぞれ着物や袴などの衣装に身を包んだ1から4年生の総勢28人のメンバーに、指揮者はいない。メンバーがお互いの顔を見て呼吸を合わせ、息の揃った音色を響かせた。今回の三田祭には、「6期が運営代を務める中でお世話になった全ての方へ感謝を、メンバーの笑顔で示すステージにしたい」、との意気込みとともに臨んだ。引退する6期、そして弦音巴のこれからを担う1,2年生と同じステージに建てる幸せを噛み締めながら、心臓まで響く迫力のある音色を響かせた。
指揮者なしにメンバーの呼吸のみで音色を合わせ奏でる圧巻の津軽三味線の合奏に、これからの活躍にも益々期待が寄せられる。今後も、さまざまな場所で演奏を行う神出気没のパフォーマンス集団のステージに、是非足を運んでみてほしい。
(久米里佳・鈴木翔大)